「答えを探す」時代から「答えをつくる」時代へ
最近話題のジェネレーティブAI ChatGPTにマイクロソフトが出資するということが話題になっている。
ChatGPTがさまざまな話題について「それらしい」答えを返してくることで大きな話題に。
ChatGPTの仕組みについてはこの辺りに詳しく解説されている。
ざっくりいえば、ネット上にあるさまざまなデータに基づいて「信憑性がありそうな回答」を生成するAI。
当然ながらネットには正しい情報もあれば、間違った情報もあるので、その回答は「それらしくはみえる」けど、正しくない場合もある。
そういった場合は人間のフィードバックによって精度を向上させていくことになる。
つまり、過去のデータに基づいて「確率処理」をしているものが「論理処理」にみえるということ。
確率処理で論理処理(にみえること)をしているということは、(真実や嘘が混在している)過去のデータをもとに類推することなので、一定の頻度で間違いがおきる。そしてそれを修正していくことで確度をあげていく。
まさに人間の脳と同じだ。
しかし、その不正確さにもかかわらず世界中の多くの人がChatGPTに熱狂している理由は、「AIが答えをつくってくれる」ところにある。
これまで私たちは、何かわからないことがあるとネットで検索したり、TwitterやInstagram、TikTokなどのタイムライン、またはAmazonなどの通販サイトでそれらしい答えを探したりしていたが、ChatGPTはそれらの情報を統合し答えを自ら生成してくれる。
その答えがいまひとつでも、追加で質問していくことで、自分が欲しかった答えに近づくことができる。
いわば、「検索から生成へ」
検索結果の中から自分でリンク先を選らびその先の情報を確認していったり、タイムラインの中から適切な投稿を探したりする手間に比べて、これは圧倒的に楽で楽しい体験となっている。
確かに現在のChatGPT3.5では全然違う答えを返してくることも多いし、一見正しいんだけど実はフェークニュースを元にしている回答をしたりすることもある。
そして何より、ChatGPTは過去のデータを使って一気に学習していることもあり、最近のニュースなどには対応していない。
しかし、こういった正誤を判定するAIも出てくるし、出資により計算能力もさらにパワーアップすることによって回答精度やスピードも向上してくるだろう。
次のChatGPT4ではそういった辺りが劇的に改善される可能性も高い。
昔からSF映画やドラマなどでよくみているパーソナルアシスタントAIが音声で主人公の質問に答える世界がついに実現したかのようだ。
当然ながら、Googleも大きな関心を寄せていて、ChatGPTはGoogleの検索事業の「脅威」となると考えていると言われている。
普通に考えて、マイクロソフトの検索エンジンBingにChatGPTが搭載されれば多くのユーザーが使うことになるだろう。
当然OfficeアプリのWordやPowerPoint、ExcelなどにもChatGPTが搭載され、もしかすると、Windowsユーザーには懐かしいイルカ(名前はカイル君というらしい)がChatGPTとともに復活するかも、、?
そんな過熱するChatGPTについて、正確性や安全性に問題があるとして、ニューヨークでは一部の学校でChatGPTの使用を禁止する動きも。
しかし、この生成AIの流れは止まらないだろう。
そして、最新のアナウンスによると間もなくChatGPTのAPIを提供することになるらしい。
APIが使えるようになれば、さまざまなアプリやサービスなどでChatGPTが使えるようになり、多くの企業や人を巻き込みながら加速度的に生成AIの活用が進み、時代は大きく変わる。
2023年はまさにAI元年となるだろう。