究極の人工知能AGIとは何か
AGI(Artificial General Intelligence)とは、人間に匹敵する知能を持つ機械やコンピュータプログラムを作るという考え方である。
いわゆるAIにおけるシンギュラリティは、このAGIの完成の事を指すことが多い。
AGIはAI研究の究極の目標であるが、まだ完全に実現されておらず、多くの議論や憶測がなされている。
特にAGIがもたらす潜在的なメリットとリスクは多くの議論の対象となっており、イーロン・マスクをはじめとして、社会への影響について懸念を表明している専門家も多数いる。
2019年2月、イーロン・マスクはAGIがもたらす潜在的なリスクへの懸念から、自身が創業に携わったOpenAI社との関係を断ち切った。
しかし、OpenAIのCEOであるSam Altman氏は、AGIが実現しても人類がそれを認識しない可能性があると述べ、異なる見解を示している。
Altman氏によれば、現在の我々の知能に対する理解は限定的であり、AGIの能力の全容を認識することはできないかもしれない、ということだ。
AGIの開発は、知性や意識のあり方、社会における機械の役割など、倫理的・哲学的に重要な問題を提起している。
例えば、AGIが人間の知能を超えた場合、人間のコントロールを超えた意思決定ができる機械が誕生する可能性が出てくる。
ターミネーターなどの映画で繰り返し使われてきた「意識を持ったAIが人間を駆除する」というストーリーだ。
そんなことが起こった場合、説明責任や責任の所在が問われるとともに、AGIが意図しない結果をもたらすだろう。
また、これまで人間が行っていた作業を機械が行うようになることで、雇用の喪失や経済の混乱が起こる可能性も懸念される。
さらに、サイバー攻撃や軍事利用など、悪意のある目的にAGIが使われる可能性も懸念される。
しかし、AGIの開発は、効率性や生産性の向上、意思決定の改善、気候変動や貧困など世界の喫緊の課題解決など、多くのポジティブな効果をもたらす可能性も秘めている。
AGIの開発は、潜在的な利益とリスクの両方を伴う複雑かつ多面的な問題である。
この分野の専門家だけでなく、政治や企業、そして私たちも、AGIの将来についてオープンな議論を行い、すべてのステークホルダーの利益と懸念を考慮した発展のためのロードマップを作成することが重要なのだ。
昨今のAIフィーバーをみていると、そんな未来は遠くなさそうだ。
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