mintons' session -test verison-を終えて

11月10日(金)にmintons' session -test version-なるものをやりました。これは稽古会とWSの間みたいな時間を目指して始めてみたもの。気軽に参加出来て、金銭的な負担も軽くて、もちろん楽しくて、なおかつそれぞれの演技を探求出来る場みたいなものを作れたらなと思ったのです。

告知用画像

それでtest versionを終えまして、「ちょっと興味あるかもなぁ」みたいな方の参考になるかもしれないし、特に参加は考えてなくとも「ホリそんなことやったのかぁ」なんて思ってもらえればと考え、その内容に関してごくごく簡単にではありますが、書いてみようと思い立ちました。

1、自己紹介
まずは自己紹介。名前となんでもいいので1,2分お話しください、という。まずもってトップバッターの僕が「何話せばいいんだ……!」状態に陥り、もがいた数十秒の後、苦し紛れでジョン・カサヴェテスに最近はまってるという話を。そしたらそこから関心のある映画・演劇なんかの話が中心になりました。そりゃそうよね。前の人の話を受けて、自分の話が出てくるものね。だし「これ話すぞ!」って自分の中で決めちゃうより、流れに身を任せるのが良いと僕も思ってるので、翻って最初の人が何を言うのかって影響力あるなと今気づきました。しかも僕の場合参加者の一人ではなく、主催者ですからね。おお……。
あと円形に椅子を並べてたんですが、「この形緊張する」という声がチラホラ。かといってモアベターな配置も思いつかずそのままで。きっと机とかあったらまた別だったんだろうなと帰ってから思いました。椅子だけだと自分の身を守るものがないから。初対面の人も多い空間で。でも自分をさらけ出す緊張は本格的なワークに入る前に慣れとく方がむしろ良いのかも……?

2、アップ ~ラインゲーム~
ラインゲームという名前が正しいのかどうか分からないけれど、どこかでその名称を聞いた気がします、ラインゲーム。僕は色んな現場でこれをやりました。演劇の世界ではわりとポピュラーなゲーム?
参加者が円になって任意の誰かを指差しその名前を呼ぶ。呼ばれた人はまだ順番が回ってきてない任意の誰かを指差し、その名前を呼ぶ。全員回りきったところで最初の人に戻り、ラインが完成。これを保存。そして次は各々、お題に沿った名前以外の呼称を設定し、それでも同じようにラインを作る。そしたら2本のラインを同時に回していく。それが出来たら3本。それも出来たら4本……というやつ。
一昨日は、「名前」「幼い頃の憧れ」「好きな本」というお題でラインを増やしていったんですが、これがもう早々に円滑に回ってびっくりした! ほぼ初対面の7人で3本のラインがこんなに上手く回るなんて! だったら、ということで4本目のラインは「指パッチン」で回すように僕が指定させてもらったんですが、さすがにこれはスーパーハードで、バランス取るために「名前」「幼い頃の憧れ」「指パッチン」の3本で回したら、ギリギリ何とか……という感じでした。やっぱ音の違いで判断できない「指パッチン」は難しいんだなぁ……。でも本当に皆さんうまかった……。
このゲーム、感覚が開いた状態の柔らかい集中をするため、というのと、その上で相手に言葉を渡す・相手から言葉を受け取る、という感覚を得るためのものだと僕は思っています。

3、アップ ~リピテション的なもの~
僕はマイズナーテクニックのリピテションというトレーニングで得る感覚を自分の基礎に置きたいと常々思っています。特に西村壮悟さんのWSに頻繁に、ではありませんが定期的に通っていて、そこで行うリピテションの形が好きです。それは壮悟さんの師匠であるスコット(・ウィリアムズ)によって編み出されたバージョンのリピテション。その中身についてここで詳しいことは書きませんが、一昨日はひたすら同じ言葉を繰り返しながら(リピート)、相手の挙動を観察し続ける、というリピテションをさらにシンプルしたようなワークを行いました。そうすると面白いことに椅子に座って向かい合っている二人が反応し合い始め、関係性が出来て、しかもそれが動いていくんです。面白かったなぁ……。イライラしたり、不安になったり、可笑しくなったり。口に出してる言葉はずーっと一緒なのに(最終的には言葉を変えて「ほぼこれリピテションやん」ってところまでやりましたが)。
最後にちらっと「なぜこのワークでは大きくてダイレクトで嘘のない反応・感情が生まれうるのか?」という話を出来たのも良かったです。可能ならもっと話を深めたかったけど。
ただこのワークが楽し過ぎて(主に僕が)、ここで当初の予定時間配分を大幅にオーバーしたのが、一昨日最大の反省点です。

4、シーンワーク
というわけで本題であるシーンワークが全体駆け足気味になってしまった……。申し訳ないです……(test versionなので許してください)。ペアのシーンで1ペア基本2トライずつやりました。本当はもう1周したかったのだけれども。
1トライやってもらい、フィードバックを挟んでもう1トライ。基本的には演じてくれた方のフィードバックを聞いて、僕が「次こういうのも見たいです〜」「こうしてみたらどうなりますか〜?」と言って、もう1トライやってもらうという流れでした。今書いてて思いましたけど、これmintonsの稽古とほぼ同じ形でしたね。まぁそうなるのか。稽古会だし。
個人的に「あぁ、こういうこともっとしたいな」と思ったのは、2回目のトライが始まる前にフィードバックを踏まえて身体的な準備を行った参加者の方がいて、2トライ目終了後に「それ差し支えなければ教えてもらえますか?」って言ったらシェアしてくれたこと。俳優のシーンに向けての準備って本当に色んな形があるんだろうなと思っていて、それをどんどん共有する場みたいなものが生まれたら豊かなんじゃないかと僕はちょっと前から考えてたりする。し、そういう場にならないかなというのがmintons' sessionに僕が寄せてる期待の一つだったりもします。だからあの時間は僕にとってとても良かった。
時間があればもっと参加者の方の話を聞けたんだけどな。全体として僕の話す分量が多かったなというのが反省。
でも、2トライ目の方が俄然良いんじゃないでしょうか……!という参加者の姿を見るのはとても楽しかったです。そこに僕の言葉が影響してようがしてまいが。なぜなら参加者の口から出たフィードバックは、その場の共有財産だと僕は思っているから。


というわけで反省もありつつ、でも総じて楽しかったmintons' session -test version-でした。またやりたいと思います。というかもう稽古場押さえてます。のでこの場でシレッと発表したいと思います。SNSでの正式発表はまた後日ですが〜(告知用画像が出来次第)。
基本情報は今回と同じです。時間が15分だけ長くなります(あと稽古場は3倍くらいの広さになります)。そしてもう1回だけtestです。

mintons' session -test version.2-
12月12日(火) 18:00-21:30
世田谷区内施設にて

そんな感じです〜。

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