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小児の関節可動域


大関節+足関節の主要な運動方向について参考可動域をまとめました。

小児の関節可動域は明確な基準値が無く、成人の関節可動域を当てはめているのが現状です。
日本整形外科学会が定める標準可動域と比べると小児の関節可動域は成人と比べて大きい事がわかります。
では各関節の可動域を見て行きます。
カッコ内の数字が学会法標準値です。


肩関節

●屈曲(180°)0才〜10才頃
約170〜180°

●伸展(50°)
・0才〜2才頃
約85°
・〜9才頃
約85〜90°
・10才頃
約80°

●外転(180°)
・0〜2才頃
約180°
・〜10才
約190°


股関節

●屈曲(125°)
・0才
約120°
・〜10才
約140°

●伸展(15°)
・〜生後3ヶ月
−10〜20°
・8ヶ月〜1才頃
約0°
・〜2才
約10°
・〜10才
約20°

●外転(45°)
・〜1才
50〜60°
・2〜10才
約60〜65°

●内転(20°)
・新生児

・3ヶ月頃〜1才頃
約20°
・〜10才
約30°

足関節

●伸展(20°)
・〜1才
約50〜55°
・2才〜6才頃
約40°
・7〜10才
約30°

・屈曲 (45°)
・新生児
約20°
・1才〜10才
約60°


参考文献

・小児の関節可動域について
0〜10才の男女、それぞれの年齢毎に20名以上を対象に測定した報告。
※細かい数字の記載が無かったので、グラフを見て大まかな数字(男女平均値を参考)を記載しました。

まとめ

標準値と比べて小児の関節可動域は大きい物もありました、脊椎関節の項目は無かったですが靭帯が未発達で伸張性に優れる事を考えると成人よりも可動域が大きいだろうと思います。

小児の関節は構造的に未発達で可動域が大きいのかなと思いました。肢体不自由児では脱臼のリスクがあるので低緊張や弛緩性麻痺のお子さんでは手足のポジションに注意が必要です。

肩であれば体の前側に上肢あると安全で、股関節では外転・外旋位に近付くと安全となります。


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