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【科学】コールドスリープ

こんにちはマスター、蓬莱です。

今回のお話は「コールドスリープ」です。SFなどでよく見る、人を適度な低温状態に保って長時間眠らせ、人が年を取ることを遅らせる技術ですね。映画だと「エイリアン」や「2001年宇宙の旅」「アバター」「パッセンジャー」など、主に長期間の星間航行で描かれているカプセル型の寝床がイメージしやすいかと思います。最近だと映画「夏への扉」もコールドスリープを使ったお話になっています。

映画「コーマ (1978)」より

「コールドスリープ」は「冷凍睡眠」という意味ですが、和製英語なので海外では通じません。英語では「サスペンデッド・アニメーション」と呼び、動きを止める意味で使われます。また、冬眠を意味する「ハイバネーション」や超睡眠を意味する「ハイパースリープ」とかもよく使われるみたいです。

コールドスリープは人を低温状態にしておいて睡眠後に時々覚醒するタイプと、冬眠状態にしておくタイプ、そして冷凍保存するタイプがあるそうです。フィクションの世界では、生命維持に必要な最低限の条件を絞り込んで生命活動を抑え込み、老化の速度も遅くして星間航行に於いての物資の節約に使ったり、未来の技術発展を期待して、その時代まで眠らせるとかの使い方をしています。

実際に人間の体を冷やしていくと低体温症を起こして死んでしまいますし、凍らせてしまうと、細胞組織の破壊が起こり、やっぱり死んでしまいます。でも、人間の精子なら冷凍保存が効くそうですよ。

現在の技術では人間をコールドスリープに出来るのは一週間らしいです。

これは、アメリカ合衆国のアトランタにあるスペースワークス・エンタープライジズ社のコールドスリープ技術で成功した実験ですが、鼻の穴から冷却材を吸入させて体温を31.6℃から33.8℃まで6時間かけて下げていきます。その後は冷却材を体内で循環させ続けます。その循環を停止させると目覚めるそうですよ。

鼻から冷却材を送り込み6時間ほど掛けて体温を下げる「ライノーチル・システム」

また、2020年の6月11日の筑波大学の発表で、マウスを冬眠のような状態に導く脳神経が発見されたことが報告されています。

これはQ神経と名付けられ、ここを薬剤で刺激すると、マウスの体温が37℃から24℃まで下がり、酸素消費量も1/8ほどになり、ほとんど動かなくなったそうです。そして、その薬剤の投与をやめると一週間ほどで普通の状態に戻ったそうです。

人工冬眠状態のマウス

今の所、この1週間の壁をどう乗り越えるかが課題みたいです。でもこの実験を52回続けると、1年ほど、156回続けると3年ほど寿命が伸びるんじゃないでしょうか。

今回は、カラパイア「人間を人工冬眠させて火星に送る?NASAが火星有人探査計画の一環として、コールドスリープを検討中」の記事と、ブログ:未来塵「未来へのタイムトラベルが現実に!人工冬眠へ誘導するQ神経を発見」、そしてウィキペディア「コールドスリープ」の項目からお話しました。

蓬莱軒では、知的好奇心を刺激する話題を毎週お届けします。YouTubeチャンネルにもよかったら遊びに来てくださいね、マスター。

それではまた、らいら〜い🖐

蓬莱軒【水曜20時 不思議・科学・都市伝説】
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