日傘

暑い時期になった。
時折、日傘をさして歩いている女性を見かける事がある。
僕が子供の頃は日傘を差している人はいなかった。
日傘を差そうものなら、気取りやがってと冷ややかな目で見られたものだ。
そのうち、有閑マダムか上品な貴婦人が日傘を差すようになった。
はじめて、日傘を差した人は勇気がいっただろう。
そして、徐々に日傘は浸透していった。
若い女性がオシャレに日傘を差している姿は絵になる。華がある。
男の日傘は、野暮ったい。
街角で日傘を差している女性がいると、僕は見とれてしまうのだ。