動物(1分小説)

花子は5歳の女の子だ。
そろそろいろんな言葉に興味を持ち始めていた。
お父さんが言った。
「動物の名前を言ってごらん。1ついうごとに1円あげよう。」
花子は「犬。」と言った。
しかし、次が続かない。花子の家では犬を飼っているから、すぐ出て来ただけだ。
「分かんない。1円じゃ何も買えないよ。」
お父さんは、にこにこしながら、
「どんな犬かな?」
と言った。
花子は「あっ。」と声を上げた。
何かひらめいたようだ。
「白い犬。黒い犬。大きな犬。ちっちやい犬。」
お父さんは
「その調子でもっといろんな犬を言ってごらん。」
と言った。
「目の青い犬。警察で買ってる犬。二郎君の家で飼ってる犬。耳の大きな犬。おとなしい犬。よく吠える犬。可愛い犬。むくむくした犬。………」
この調子で花子は100ぐらい犬を表現した。
花子はお父さんにアイスクリームを買ってもらった。
花子はちょっぴり表現豊かな子になった。

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