OL日和（１分小説）

麗子はオフィスから駅に向かうところだった。
２６歳のOL。
ハイヒールにビジネススーツのキャリアウーマンだ。
時間は夜中の11時過ぎ。
人影はない。
ツカツカツカというハイヒールの音だけが響いている。
（明日も朝早いから、すぐ寝よう）
そんな事を考えながら、麗子は歩いていた。
すると背後から、タッタッタッタという走ってくる足音が聞こえてくる。
だんだん近づいてくる。こっちに来ている。
（襲われる！）
麗子は殺気だった。
と、突然、麗子も後ろを振り向きもせずに走り出した。
カッカッカッカ。
ハイヒールでは速く走れない。
タッタッタッタッタ。
背後に近づいてくる。
そして、男は、そのまま追い抜いていった。
追い抜きざまに男は「勝った。」と呟いた。

男も麗子も終電には間に合った。