妊娠・出産をどのタイミングで報告するべきか

「妊娠・出産をどのタイミングで周囲に報告するべきか」

私は、大学院で「問いを立てるデザイン」という講義を受けています。先日は、未来の家族のあり方や卵子凍結の技術についての講義を受けました。そんな折、知り合いがFacebookで妊娠の報告をしており、全く知らなかったことをいくつか知れたので、もっと勉強したいと思い、「妊娠・出産をどのタイミングで周囲に報告するべきか」という問いを立て、これに答えることをモチベーションとして、周辺の知識を集めてみました。

はじめに、問いに対する私の結論から言うと「いつでもいい」
ということになりそうです。
というよりは、妊娠・出産をいつでも言えるような社会が望ましい。

つわりがひどくなるなど周囲の理解が必要と思えばいつでも言えばいいし
逆に隠したければ隠しておいてもいい
のではないかと思いました。

妊娠の段階

「どのタイミング」で周囲に報告するべきか考えるにあたってそもそもどんなタイミングがあるのか調べてみました。
知らなかったことだらけでとても勉強になりました。

・まず妊娠が発覚するのは妊娠してから2~3ヶ月後である
・そしてこの時期に発覚する理由とも繋がるが、妊娠2ヶ月目ごろから妊婦はつわりが始まる
(つわりが妊娠のサインになる)
・この「つわり」は相当辛いものらしい。周囲の様々なものに「ニオイがだめ」と感じるようになったり、吐き気、胃のむかつき、耐えられない眠気、腰痛・腹痛など日常生活に大きな影響を与える症状が現れるそうです。(全然知らなかった...)
・妊娠5ヶ月目に入ると、安定期と呼ばれる時期に入り、旅行も行けるし仕事も普通にこなせるようになる(人もいる)らしい
・またこの頃からお腹が大きくなる
・妊娠8ヶ月になると誰が見ても妊婦さんとわかるぐらいお腹が大きくなり母体への負担も大きくなる

つわりのつらさを初めて知りました。いくつかのブログや、知り合いのFacebook投稿を読んでこんなにも辛いものなのかと驚きました。男性である自分には体験することはできないし想像し切れないものであることは承知の上で、なるべくでもその辛さを理解し、協力・サポートしなくてはいけないなと思いました。
よって、妊娠をしたらサポートしやすいように報告してくれると助かるなあとも思いました。
一方で妊娠の報告をためらうのも尤もなので、女性が辛そうにしていたら妊娠かも知れないと察してあげられるぐらい、機微に気づける人間になりたいと思いました。

流産について

妊娠の報告をするリスクとしては、
悲しい現実ですが、「女性の場合、妊娠を報告すると大きな仕事を任せられない」とか「流産や中絶をした場合、場合によっては、同情や非難の目で見られる」などが可能性として挙げられるのではないかと考えました。まずは流産について調べてみました。

流産のリスク

・医療機関で確認された妊娠の15%前後が流産になる
・流産が繰り返し起こる「反復流産」の確率は2~5%

流産の原因

・早期に起こった流産の原因で最も多いのは胎児の染色体異常
・つまり、受精の瞬間に「流産の運命」が決まることがほとんど
・母体の妊娠初期の仕事や運動などが原因であることはほぼない

・繰り返し流産が起こる場合は、両親に何らかの疾患が隠れている可能性もある

先天性疾患について

また、生まれてきた赤ちゃんに先天性の疾患があるかないかも報告する身に複雑な感情をもたらすのではないでしょうか。
先天性疾患の原因が両親にない場合でも、そう疑われるというか、誤解させるような報告はしたくないという思考が働く可能性があります。

・先天性の疾患を持っている赤ちゃんの割合は3~5%と言われている
・その内訳は
 - 多因子遺伝(40%):先天性心疾患の原因
 - 染色体疾患(25%):受精時に確定。妊婦の行動が原因ではない。出生前診断で出産前に判明することもある
 - 単一遺伝子の変化(20%):受精時に確定。妊婦の行動が原因ではない
 - Copy Number Variants(10%)
 - 環境・催奇形因子(5%):タバコやアルコール、薬剤、放射線被爆による
・多因子遺伝→100人に1人に生じる先天性心疾患
・染色体疾患
 - 以下の記事によくまとまっていたので参照のこと
 - https://www.genetech.co.jp/disease/

まとめ

妊娠や出産の報告にはそれなりのリスクが存在する。
それは、女性の場合、出世を邪魔する可能性であったり、
流産や先天性疾患があった場合、両親に何らかの疾患があるのではないかと誤解を招く可能性であったりします。
妊娠・出産の報告は必要と感じれば積極的にすればいいし、隠したければ隠してもいい
しかし、隠したいと思わなくていいような社会が必要とされていて、そのためには、
各々が、正しい知識を身につけていくことが大切だと感じました。
正しい知識を身につけ、お互いがお互いを理解する必要がある。

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