比べない人

無知無学を曝け出すのは恥ずかしい、けれどこのnoteという場では自分自身に正直でいられそうな気がする。だれも読まない秘められた日記のように、あるいは読者を意識した作家のように、そのどちらでもない書く広場として利用させてもらおうかと、いま思いついた。

今朝歩きながら聴いたカルチャーラジオの森下洋子さんの話にちょっぴり惹かれた。実はこの話を耳にするまで有名なバレリーナだということさえ知らなかったことをまず告白しなければ。そしてもっとも印象に残ったのは、「わたしって未だかって一度も人と比較したことがないんです。」という一言。不器用で直ぐにできない自分を責めることもなく、いつか必ずできるようになるのだと信じて疑わなかったという。なんとすばらしいことか。それに比べてこの凡夫ときたら、いつもいつも人と比べてきた(とまた比べている。)

およそ表現するという場合、多くの表現者が評価を期待しているかもしれず、それ以外の何を拠り所にすべきか、探る気概もなくその信念を養うことすら気づかない人がいるなら、ここにその筆頭がいて、そろそろ人生の終わりへと向かう今になってようやく気がついたわけで、それでもようやく気づけたわけで、だからnoteに正直に書きつけてみた。

ありがたい。明日からは、どんな自分であろうと、この道をひとりふらふらとこれまでのように歩きながら、けれどこれまでとはすこし違う、これが我が人生だと思える信頼をささやかながらもたずさえているのかもしれない。


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