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ALISハッカー部のすゝめ

はじめまして、ペンギンアイコンのホーさんといいます。
今日は、プログラミングにご興味がある方向けに、ALISハッカー部をご紹介したいと思います。

ALISとは

ALISというWEBサービスをご存知でしょうか。記事の投稿によってトークン報酬(株のようなもの)を得られるブログサービスです。ALISは現在クローズドβ版で、プロダクトに対するユーザからのフィードバックを拾いながら、機能の開発を進めています。

補足:クローズドβ版と言いつつ、ウェイティングリストに登録すると数日(長くても1週間ほど)で使えるようになるようです。

ALISコミュニティとは

ALISで一つ特徴的なのは、ユーザの一部が単なるブログ投稿に留まらず自主的なコミュニティ活動を行いはじめたことです。「独自ミートアップの開催」「アリスサポーターズDiscord立ち上げ」「イラスト企画」「LINEスタンプ販売」「アリス関連グッズ販売」などなど。

 これはユーザがALISトークンを保有していることによる、「トークンの価値を上げたい」という意識からの貢献活動の枠に留まらず、よりピュアな「仲間を増やしたい」「仲間の役に立ちたい」「自分のスキルを生かしたい/伸ばしたい」「優れた仲間から知見を学びたい」「誰かに認められたい」という欲求がエネルギーになっているように感じています。

 特定の専門分野においてコミュニティが形成されているというのは良く見られますが、ALISの場合、ALISというWEBサービスを横串(共通点)として「クリプト業界に詳しい方」「イラストクリエイター」「プログラマー」「文章作成能力に秀でたライター」「科学技術に通じた方」「法務関係に通じた方」「マスコットキャラ」などのスキルや個性によって玉虫色の様相を呈しているのは非常に興味深いです。(ALISコミュニティはまだまだ小規模で、しばしば「村」と揶揄されがちではありますが。)
 ALISで記事を書き始めてしばらくすると、具体的な共通点を持つメンバーが集まり、「部活」という名前で独自の活動をしはじめました。わたしはその中で「ハッカー部」という部活に属しています。社会人になって"部"と名のつく組織に属することになるとは思っていませんでした。

ALISハッカー部とは

 まず、ここでのハッカーの定義とは「自分や誰かの持つ課題をプログラミングをはじめとする技術や工夫で解決(ハック)する人」のことです。
 具体的な活動の一部を紹介します。

ハッカー部Discord

 ハッカー部は「何をやらなければならない」というルールはありません。個人がそれぞれ自分のやりたいことをやりたいようにやり、情報の共有や質問がある時などにチャットを活用する、というのが基本スタンスです。
 以下の二箇所にALISハッカー部のDiscordチャット、および関連情報が集約されています。
アリスサポーターズDiscord内ハッカー部チャット
↑日々のチャット(雑談)は主にこちらで行われています。
アリスハッカー部チャンネル
↑関連情報はこちらに集約されています。

開発プロダクト

ここでは、ハッカー部で開発したプロダクトの一部をご紹介します。

ALIS過去記事マイナー(リンク

作者:億ラビットくん(@ocrybit
ALIS記事:もう過去記事埋もれません!ALIS過去記事マイナー作りました

ALISは記事を投稿すると「新着記事一覧」に載り、「いいね」がたくさんつくと「人気記事一覧」に載ります。ただ、数日すると他の記事に流され、以後はほとんど閲覧されなくなってしまうという問題があります。過去記事マイナーでは、日付ごとの記事一覧、過去一時間のクリック数順の記事一覧など、独自の指標で過去の記事を発掘できるようにしたWEBサイトです。

このサイトの作者である億ラビットくんは、TwitterのRTやいいね数を元にコミュニティ貢献度を評価する独自のランキングサイトOCRYBITを開発・公開しているベルリン在住のラッパー兼起業家です。8月にALISのアンバサダーに(初めて技術に秀でた方として)認定されています。
関連記事:ALIS公認アンバサダーが本気で世界を獲りに行くロードマップ


ALIS記事検索エンジンALIS SEARCH(リンク

作者:ホーさん(@hoosan16
ALIS記事:ALIS記事の検索サイトをつくった


こちらは私が立ち上げた、ALISの記事検索エンジンです。当時、ALISの公式サイトに検索機能が実装されていない状態だったため、作ったらウケるんじゃないかと思って作ってみたものです。ALIS内で名前を知っていただけるきっかけになったと思っています。現在はALIS公式で検索機能が実装されたこともあり、こちらの開発は下火になってます。

なお、上で紹介した2つのプロダクトはALISのCEOである安さんの講演にもコミュニティ事例として使われています


Github

ALIS APIクライアントの開発や、WEBサービスの要素技術の開発などを行い、ハッカー部のGithubにて公開しています。


ALISハッカートークン(AHT)

ハッカー部では前述の億ラビットくんによって独自通貨であるALISハッカートークン(AHT)の発行を行いました。

詳細な説明については、開発者である億ラビットくんが(おそらく)近日中に投稿する記事を待つところですが、私の理解している範囲では基本的な思想は以下の通りです。
・トークンは創造的な活動(学習・教育・イラスト作成・企画報酬などなど)の個人間の交換を活発かつ円滑にするために活用される(法定通貨に接続しない独自経済圏)
・トークンの価格は上げず、保存する(価値一定を目指す)

ポイントは、「価値の保存」をどう行うかという点です。貨幣の価値保存とは「他の価値と交換できる保証」です。ここの言い回しは個人的なものですが、AHTの価値は、金や法定通貨ではなく、「個人の創造活動」で保証される仕組みを目指していると理解しています。つまり、例えば「100AHT支払うと、誰かがプログラミングを教えてくれる」「200AHTあると、誰かがTwitterヘッダーを描いてくれる」といったように、AHTに「誰かの創造活動」が保証されており、「創造活動本位制」とでも呼ぶべき状況が作り出せれば、AHTの価値が保存されている状態であると言えます。この状態は、経済圏に参加するメンバーの人数が十分であり、経済活動も活発に行われていることが必要になります。また、これまで価値のつかなかった、「プログラミングの学習」「まだお金を取るほどではないイラスト作成」などにも活動への報償としてAHTを付与するような仕組みを持たせることで、AHT経済圏で価値の保証に寄与する「創造活動」に繋げやすい仕組みをふんわりイメージしてます。
 AHTを使った最初の支払い事例(ビットコインでいうピザの例)は、以下のイラストです。


 なお、AHTには所持することのインセンティブもなければ、値上がり期待もありません。「創造・学習活動を活発かつ円滑にする」というミッションを達成するために、経済圏の中で使うためだけのトークンです。開発者のツイートを引用しておきます。

 繰り返しになりますが、AHTの詳細については開発者の発表をお待ちください。

ALIS×人材育成

 コミュニティ形成で重要なのは、ただ闇雲に人数を増やすことではなく、コミュニティに所属する個を強くすることと考えています。多種多様な人材が集まるコミュニティで、人をつなぎ、育てる活動はコミュニティの安定拡大のために重要な要素です。
 ここでは、「ALIS×人材育成」事例の簡単なものの一つとして、ALISハッカー部で私が行った、メンター(プログラミングの個人講師)について経緯と所感をお伝えします。

メンターの経緯

メンティー(被育成者)であるWandaさんは、もともと「イラスト・芸術」のスキル・個性を持った方で、ALIS内のイラスト・漫画部に所属していました。ALIS運営の似顔絵企画など、イラストに関係する活動を行ってきた実績があります。この方は、「誰かの役に立ちたい」という気持ちが強く、「ALIS関係の情報の集約と発信」を目的に、独自にアリスサポーターズホームページ(以後、アリサポHP)の立ち上げを行いました。
ALIS記事:ALIS Supporters のホームページができました。


 私がアリサポHPの技術的な相談を受けていたりした折に、Wandaさんが「Google Mapに美味しいお店の場所をピンで刺していく企画」を立ち上げました。最初は企画参加者にアリサポHP上で住所を入力してもらう仕組みを考えていたものの、記事から自動で情報(店名・住所など)を取得し、地図をアップデートできると気づきます。Wandaさんはそれまでプログラミングは全くの未経験者でしたが、私が「Wandaさんもできるよ」と声をかけたことをきっかけに、プログラミングの基礎を教えたり上記の機能を可能にするコードの作成をお手伝いするメンターの役目を申し出ることになりました。

 補足すると、これにはもう一つの経緯があります。上記のマップ企画は当時ALIS運営が主体となって「グルメトピック盛り上げ企画」として開催されていたものであり、Wandaさんはコアメンバーとして運営から頼られる存在でした。ただ、外から見ていて「その活動、Wandaさんにいったい何の得があるの?という気持ちが払拭できませんでした。コミュニティメンバの一人(上のAHTのイラスト描かれた方)のコメントを紹介します。

 せめてWandaさんがこの活動を通じて何か学んで(持ち帰って)欲しいと考えた結果、簡単なプログラミングなら教えられると思い至りました。話してみると、本人がプログラミングに強い興味を示したので、メンターになることを決めました。

実施内容

実際に行ったことは、主にWandaさんの書いたコードの修正とその解説です。言語はPythonです。毎晩23:00〜24:30程度の時間を1週間ほど使い、以下のことに注意しながら教えました。


・問題の解決方法はなるべく本人に考えさせる(翌日までの宿題)
→翌日解説
・どうしてそのエラーが起きたか本人に考えさせる(翌日までの宿題)
→翌日解説
・より綺麗にかける方法(ベストプラクティス)があるときは、修正・解説する

企画開始時期も迫っていたので必ずしも理想通りとはいきませんでしたが、概ねこんな感じで進めました。Wandaさんの頑張りにより、無事予定通りに企画を開始することができました。
ALIS記事:ALISグルメ企画スタート!!「秋の味覚絶品ピン」

顔合わせ応援企画の実施

私とWandaさんのどちらにも面識のあるマミィさん(@tabimama00)から、Wandaさんと私を引き合わせたいという申し出があり、マミィさんが以下の企画を立ち上げました。

遠方にお住いの学生であるWandaさんに、東京までの渡航費をPolcaで援助を募るという内容です。目標金額を大きく上回る援助が集まり、Wandaさんのこれまでの活動・努力がこれだけ評価されていたのだと大いに感動しました。

所感(メンター側が受け取ったもの)

 今回、メンターとして指導を行いましたが、メンター側もメリットが非常に大きかったです。

・教え方の技術の習得
→どう教えたら良いか考えるきっかけになりました。
・メンター行動への周りからの評価
→Wandaさんがメンターについて色々発信していただいたおかげで、私がこういう活動をしていることが、思っていたより多くの方に知っていただけてました。

 今回はメンターに関して対価は頂いてませんが、今後教育関係の活動は上述のAHTを活用するなどして、経済圏を広げていけたらなと考えています。

おわりに

以上、ハッカー部の概要と、活動の一部を簡単にご紹介しました。
上で紹介した活動の他、競技プログラミング大会に参加したり、オンラインハッカソンに参加したり、面白そうなことがあれば情報を共有し、やりたい人がやるという形で自由に活動してます。
 ALISでの記事投稿に興味がなくても、ALISハッカー部には興味がある、ということで加入した部員もいます。この記事が、どなたかの心に届きましたら幸いです。

ホーさん@ハッカー部