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三浦春馬の楽しみ方〜君は変幻自在の万華鏡➂~

rev.0 2021.2.5
rev.1 2021.10.9

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作品紹介のリンクを貼り直しました。なお、本記事の文章は、rev.0当時のままです。(rev.1 2021.10.9)
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このシリーズも第3弾になった。

あの日以来、春馬くんの作品を追っていくうちに、「なにこれ~っ!?全然違う人~?」と驚愕が止まらなかった私は、「え~っ!?この役とこの役が、ほとんど同じ時期に演じてるの~!?」と比較しながら見るのが、三浦春馬の楽しみ方の一つであり、その驚きを備忘録として綴らせていただく。

先日、『ZIPANG PUNK〜五右衛門ロック III』を見てミュージカルの春馬くんのことを書いたので、今回はそのあたりを絡めて前後を見ていきたい。


不良と天才の役を行ったり来たり

本シリーズ「君は変幻自在の万華鏡➀」の最後に綴った『ごくせん第3シリーズ』(2008年4月~6月放送)の風間廉から始まり、どんな変幻自在さを見せてくれているか。

まずは、前述の風間廉くんはクラスの中心人物で仲間想いの不良だったよね。顎を突き出し、生意気な感じ。

そのすぐあとに放送の『ブラッディ・マンデイSeason1』(2008年10月~12月放送)では、一変して天才ハッカー高木藤丸通称ファルコンという頭脳派。外ハネのヘアスタイルと山なりにカットした眉毛は、ごくせんの風間廉に近いかな。大人たち相手に物怖じせずパソコンを自由自在に操り、ウィルステロを阻止する高校生。スリリングな展開の中、驚愕の表情、険しい表情、泣きの表情、激動の感情が満載。大人の俳優さんの中にいても、負けない存在感とオーラ。川島海荷ちゃん演じる妹のことは何があっても守り抜く強さ。春馬くんのお兄ちゃんとしての一面も見れて、そこもキュンとする。

こちらも天才役なんだけど、ほぼ無表情。『ブラッディ・マンデイSeason1』と同時期放送の2008年10月放送の短発ドラマ『ガリレオΦ エピソード0』で、物理学教授湯川学(福山雅治)の大学生時代の役。福山雅治さんも相当お美しい方だと思っているけど、春馬くんのこの美しさは、優にそこを超えているのでは、と思う。春馬くんの出演シーンはそれほど多くないけど、少年ぽさの残る透明感で、ひときわ目をひく。でも、何も知らずに見てた人は、まさかファルコンと同じ人だとは思わなかったのでは?

そのあと、映画『クローズZERO II』(2009年4月公開)では、主役の小栗旬さん演じる滝谷 源治の率いる鈴蘭男子高校の敵対校鳳仙学園に1年にして幹部入りした美藤 竜也役。こちらも、表情はあまり変えずクールでカリスマ性のある不良。大勢の怖いお兄さん達の中で、線は細いがその存在感は際立ってて、泥の中に咲く蓮の花のようだった。

・・とこのあたりでは、不良と天才の間を行ったり来たりしている。それぞれ、不良でも熱い風間とクールな美藤、天才でも表情豊かなファルコンと無表情な湯川と違いあり。

舞台で開花した新しい魅力

そして、おそらく世間を驚かせたであろう地球ゴージャスの舞台『星の大地に降る涙』(2009年6月 - 8月)のシャチ役。こんな長髪の春馬くん、初めて見たけどめちゃくちゃ似合ってる。

舞台初出演とは思えないほど、とにかく、声の出し方がドラマや映画とは全然違う。それに加えて、歌うわ踊るわ、もうどこにそんな技隠し持っていたの!?と驚くばかり。後半、自分が何者だったかを思い出したシャチが繰り広げる殺陣シーンも見事だし、その熱量は半端ない。一方、木村佳乃さん演じるステラと見つめ合いながら歌うシーンなんて、清らかさの権化か。めちゃくちゃ母性本能をくすぐる。『ごくせん第3シリーズ』終わった直後だし、当時のファンは春馬くんの新しい魅力に相当驚いただろうな。

その後すぐ放送の『サムライ・ハイスクール』(2009年10月 - 12月放送)の望月小太郎役では、、ひょんなことから時折サムライが乗り移る高校生を演じている。サムライに乗り移られた時の様子が前述の『星の大地に降る涙』を彷彿させる。立ち姿も芯が一本通っていて凛々しく、殺陣もキマっていてカッコイイ。

一変して、ヘタレ高校生小太郎に戻ったときは、お調子者で変顔したり、とにかくふにゃふにゃしている。春馬くんのコメディの原点はここにあり。

天使のような風早くんから熱い役も、ゆるい役も

不良と天才、ヘタレ高校生などで俳優三浦春馬が世に定着してきた後、人気漫画でもあった『君に届け』の超爽やかイケメン風早くん(2010年10月公開)を演じることが決まったときには、「イメージと違う」との声もあったと聞く。そりゃそうだ。これまでの役とは全くかけ離れたところに風早くんは位置しているもの。だけど、完成した映画を見て、春馬くんの風早くんには誰もが納得したはず。

この透明感、天使のような笑顔と清らかさ。演じる前に「イメージと違う」と声が上がったにも関わらずここまで風早くんそのものになってしまうとは、これこそ、変幻自在の万華鏡たる所以。先の『星の大地に降る涙』の舞台上で魅せたお腹から出した声、激動の表情、ダイナミックな動きをすべて封印して、自然な笑顔と軽やかな声で、見事に風早くんだったね。春馬くんは、この役で「爽やか」の代名詞になったんだね。

風早くんで春馬くんファンが増大したであろう後、『大切なことはすべて君が教えてくれた』(2011年1月-3月放送)では、二十歳にして高校教師役。戸田恵梨香さん演じる婚約者と武井咲さん演じる教え子の間で揺れ動く柏木修二役。いつもきちっとスーツを着こなし、髪型もびしっと分けて大人っぽく。でも、ちょっと堅すぎるよ~、修二。もう少し遊びを持とうよ~、と肩の力を抜いてあげたくなる役。生物教師なので白衣姿も眩く、いつもシャキッと立っている。
このドラマには、戸田恵梨香さん、武井咲さん、内田有紀さん、篠田麻里子さん・・・たくさんのお美しい女性が出演されていたけど、その中にあってもダントツ春馬くんが美しいわ!と思って見ていた。

そしてその数か月後には、『東京公園』(2011年6月公開)のカメラマン志望の大学生志田光司役。先の『大切なことはすべて君が教えてくれた』の修二はいつもシャキッと立っているが、こちらの光司はいつもリラックスして座っていたりして全然雰囲気が違う。いい意味で常に肩の力が抜けているちょっとぼーっとした男の子。三人の女性の間で揺れ動くも、すべて受け身で流されるまま流されていく感じがいい。亡くなった親友の霊が、光司にだけは見えるっていうのもなぜか頷けるような空気をまとっている。

その後放送されたドラマでは、やんちゃで一本気で熱血の警察官のたまご。『陽はまた昇る』(2011年7月-9月)の宮田英二役。最初は、たいして目的もなく成り行きで警察官に受かったチャラ男風。でも、佐藤浩市さん演じる教官の遠野や、池松壮亮演じる同期の湯原らとぶつかり合いながら、警察官という仕事にやりがいを見出していくうちに、どんどん凛々しい顔つきになっていく。宮田君は、教場でも真っ先に発言したり、友達想いだったり、すぐ熱くなったりと、春馬くんが演じた中でも最も男の子らしい役柄だと思う。気の強そうな目力が、『東京公園』の光司とは全然違うよね。

舞台の上でますます輝きを増していく

その後は、舞台の春馬くんが続く。地球ゴージャス『海盗セブン』(2012年3月-5月公演)の七人の海盗の一人であるワイルド・アッパー役。ウェーブヘアをオールバックにして、セクシーかつ派手なスーツでキレッキレに踊る春馬くん。ロンダートの後のバク転?前転?を軽々披露したりして、身体能力の高さに驚かされる。踊りの合間に見せる鋭い目つきもゾクゾクしちゃうし、春馬くんのかっこよさをこれでもかっ!?というくらい見せてくれる。でも、舞台って、どこか「えいやっ!」って飛び込まないと見に行かないようなハードルの高さがあるから、こんなにかっこいいアッパーを当時もたくさんの人が見逃していると思う。現に私も知らなかったし。本当に、もったいない。

テレビ上では、単発の東野圭吾ミステリーシリーズ第8話『小さな故意の物語』(2012年8月放送)で高校生役に戻る。春馬くん演じる中岡良は、不可解な死を遂げた親友の真相を追うが、その真実は・・・。こちらは、親友の死を軸にドラマが展開されていくので、春馬くんは終始苦悩の表情。話は逸れるが、この番宣用のポスターの春馬くん、めちゃくちゃかっこよくないですか?この目力よ。黒髪の艶よ。美しい鼻筋と唇の絶妙なバランスよ。完璧・・・。

実は、親友の彼女であり幼馴染の波留さん演じる洋子に秘かに思いを寄せている良。この表情が切なくて。

テレビの世界では、舞台上の圧倒的熱量を隠し、表情と間での演技が光る。

そして、最後は劇団☆新幹線の『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックⅢ』(2012年12月-2013年2月公演)の名探偵明智心九郎役。

三度目の舞台ともなる本作では、熱の入れるところ引くところとか、声のトーンの使い分けとか、前の2作より格段にうまくなっている気がする。そして、歌も上手くなっている。劇画のように表情筋を巧みに使いこなし、殺陣のシーンも激しく見ごたえあり。テレビドラマや映画では見られない春馬くんがここにいる。見てない人は、ぜひ見ないと。

この劇画チックな心九郎さまの後に、『ラスト♡シンデレラ』のキラキラ王子様広斗君につながるんだよ。この変幻自在ぶりったら!

まとめ

今回見てきた10代後半から20代前半にかけては、あらゆる角度からあらゆるタイプの春馬くんのかっこよさが引き出されていると感じた。ちょっとイケてない設定なのは、『サムライ・ハイスクール』の小太郎くらいかな。

どれをとっても類稀なる美しさで見惚れてしまう。本人は、「ずっと同じ武器で戦い続けている気がして」もがいていたというけど、こんなにかっこよくて美しいんだもの、やはり世の中が放っておくはずなく、「三浦春馬=王道イケメン俳優」という地位を不動のものにしたのも無理ないな、と思う。

でも、映像の春馬くんと舞台の春馬くんがこれだけ違うんだもの、その素晴らしい変幻ぶりは驚愕に値すると思うんだけど、果たしてそれがどれだけ世の中に周知されていたのかな。おそらく、大半の人は知らない。私も知らなかったし。もったいないな~。今からでも、たくさんの人にお知らせしたい。

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