見出し画像

60年代ロンドンの魅力と魔力〜「ラストナイト・イン・ソーホー」面白い!

昨日(12/11)、映画をみるきっかけについて少し触れた。私が3番目に長く住んだ都市、ロンドンは一つのキーワードである。

“ソーホー”、ロンドンの中心、ピカデリー広場の東側、劇場・クラブ・レストラン・パブなどが集まる一大歓楽街である。そこは、少し危険な匂いもする、猥雑なエリアである。

映画「ラストナイト・イン・ソーホー」、“ソーホー”の今と60年代を行き来する映画となると、私にとっては魅力的なものに映る。しかも、主演の一人は、Netflix「クィーンズ・ギャンビット」のアニャ・テイラー=ジョイとなると、益々である。

“自分と感性が近い”評論家として、“きっかけ“にする一人は芝山幹郎である。発売中の週刊文春の映画ページ、この作品が取り上げられていた。彼の評価は最高点の5つ星(=もう最高!ぜひ見て!)である。

これは行くしかない。

主人公のエロイーズ(トーマシン・マッケンジー)は、コーンウォールというイングランドの南の果ての田舎から、服飾デザインを学ぶためにロンドンの大学に入学する。彼女は、60年代のファッションや音楽が大好き、音楽はレコードで聴き、ポータブル・プレーヤーを抱え憧れの街へ。ただ、彼女には不思議な能力がある。

大学の寮を出て、Goodge Placeの屋根裏部屋に引っ越したエロイーズだが、1960年代のロンドンで、やはり夢を抱いてこの街に挑戦するサンディ(アニャ)という同年代の女性と、夢の中でシンクロし彼女の生活を追体験していくのだが。。。。。

冒頭は、60年代テイスト一杯の青春映画っぽい出だしで、この心地よい感じが続いて欲しいと思わせるのだが、そうは問屋がおろさない。ドラマは加速度的に泥沼に入り込んでいく。最後の最後まで、これでもかとアイデアをぶっ込んでこられて、”面白い”映画をとことん追求しているところが凄い。

毎日新聞の映画評には、<ホラー、ミステリー、ファンタジー、青春などの多彩な要素を欲張った脚本のせいで中盤以降の展開が迷走>などと書かれていたが、私からすると、これこそが本作の魅力だと思う。息をつかせぬ目まぐるしい展開に身を委ねて、余計なことは考えない。この映画はそうして見るべき作品である。

音楽は60年代ブリティッシュ・ポップスが中心だが、これがまた良い。物語の中で重要な位置を占めるペトラ・クラークの“恋のダウンタウン”を始めとし、ピーター&ゴードンの“愛なき世界”、キンクス“Starstruck”、ウォーカーブラザース“ダンス天国”などなど。また、主人公エロイーズは、劇中でも流れるバリー・ライアンのヒット曲、映画のタイトルはデイブ・ディー・グループの楽曲から来ている。

監督のエドガー・ライトは、1974年生まれと私の一世代下だが、こうした音楽が大好きらしい。

最近、日本の若者の中の昭和歌謡ブーム、レコードの復活、シティポップスの盛り上がりなどが聞かれるが、ファッションも含め、60〜70年代が格好良いというのが、世界的な流れなのだろうか


献立日記(2021/12/12)
鶏かぶら
チリコンカン(深沢バル)
春菊のお浸し
トマトと青じそのサラダ



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?