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渋谷「喜楽」は健在だった〜もやしワンタン麺を食す

渋谷のミニシアター「シネマヴェーラ渋谷」通いの際の昼食、「喜楽」を訪れる。

40年前、まだこれほどの数のラーメン屋が世になかった頃、渋谷でラーメンと言えば「喜楽」だった。渋谷での“孤独のグルメ”、最初に思いついたのは「喜楽」である。最後に行ったのはいつか、全く記憶にない。

道玄坂を上り、百軒店に入ると、昭和の渋谷がまだ残存している。カレーの「ムルギー」、クラシック音楽喫茶「ライオン」、大学時代パーティーを催したバー「パナマ・ジョーズ」、緊急事態宣言下、営業休止の店もあるが、みな健在である。そんな一角、ストリップ劇場「道頓堀劇場」の斜め前に、「喜楽」がある。いつ頃か、小綺麗なビルになった。

12時過ぎに訪れると、5〜6人の列。最後尾につくと、この店にもUber Eatsなどのデリバリーの人がピックアップに来る。この人たちに「喜楽」のおばさんは、お水を出している。暑い日のこういう気遣い、きっと嬉しいだろう。

回転は早く、ほどなく入店。カウンターにつくと、ここでも席間にはアクリル版である。この店では、もやし麺がデフォルトだったのだが、この日はもやしワンタン麺を注文する。

炒められたもやしとニラなどの野菜、ワンタンはたっぷり6個(確か)トッピングされている。もやしをまず食べると、かつてと同じシャキシャキ感。ワンタンはつるっとした皮に、麺の邪魔にならない餡。麺とスープは、これぞ中華料理屋のラーメンという感じの王道の味である。

スープは、記憶に比べると、あっさりとした印象。ただ、焦がしネギがしっかりとアクセントを入れてくれるので、ボヤッとした味にはならず、バランスが保たれている。最後に、お酢を加え、若干の味変で堪能する。

昔と比べてどうかというほど記憶は鮮明ではない。ただし、間違いのない味であり、絶対的な尺度をもって、「喜楽」は健在と言いたい

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