パラリンピックが閉幕した〜メダルの数が意味するもの

パラリンピックが閉幕した。日本はメダル・ラッシュで盛り上がった。最終日の車いすバスケットボール、あわや米国に勝つかと手に汗にぎったが、残念だった。

一方で、オリンピックに比べると、パラリンピック全体については、メダルの色、メダルの有無よりも、出場選手全て凄いと思ってしまい、メダルへのこだわりが薄い自分がいた。これは何なのだろう。

まず、全ての選手は、健常者と比べるとより大きな苦難を乗り越えて、人一倍の努力をしてこの舞台にたどりついているという、私の思い込みがある。したがって、メダルを取れるに越したことはないが、チャレンジしていること自体に拍手を送りたいと考える。

これは、不適切な発想だろうか。 オリンピアンに対しても、もちろんリスペクトはあるが、メダルへの期待は大きい。その背景は、日本という枠組みの中で自分が興奮・感動したいという部分と、頑張ったアスリートにより大きな栄誉をつかんで欲しいという2つの要素があるように思える。パラリンピックにおいては、前者の比重が落ちているような気がする。

期待値の高さというものもあるだろう。過去の様々な報道や、実際の競技中継を通じて、メダルの可能性・期待がある程度共有されているオリンピックと比べると、メダルへのこだわりは低くなるのは当然だろう。

とは言うものの、メダルには何らかの意味があるのではないかと考えた。今回、日本は金13銀15銅23計51個のメダルを獲得。前回リオの金0、銀銅合わせて24個に比べると躍進し、素晴らしい結果となった。ただし、2004年アテネは金17を含む52個だった。

他国と比べてみると、総数で日本より上にいるのは、中国207(88)、英国124(65)、ROC 118(71)、米国104(113)、ウクライナ98(19)、オーストラリア80(46)、ブラジル72(21)、イタリア69(40)、フランス54(33)、日本の次はドイツ43(37)となる。尚、カッコ内は東京五輪で獲得したメダル数、日本はパラの51に対し58、世界で4番目である。

ちなみに、オリンピックの種目数は339、複数メダルが授与される種目もあるので、総数は1100くらいか。一方、パラリンピックの種目数は539なので、メダル総数は1600程度と推計される。

この数字を見て感じたのは、日本における障がい者スポーツの基盤は、他国に比べ、まだまだ遅れているのではないかという疑念である。今回は地元開催で、それなりの競技者支援はあったのだろうが、アテナ以降リオまでの状況、他国とのギャップ(自国開催という障がい者にとってはより大きなアドバンテージがあっただろう)を見るにつけ、気になった。

イギリスでの生活、海外への旅行を通じて、日本のバリアフリーについて遅れている感じることは多々あった。それは、設備という側面だけでなく、考え方の問題が根っこにあるようにも思った。

そうした社会全体の状況が、資金面も含めて障がい者スポーツを支えるベースになるはずだが、果たしてそれは日本において十分なのだろうか? 弱者対しての理解は進んでいるのだろうか? メダル数だけで判断することはできないが、日本の今の立ち位置を知りたい。

大会自体、そして個々のメダルはもちろん素晴らしいが、マスコミ含め、全体感を検証して欲しい。パラリンピックを一過性のお祭りにしないという意味でも

献立日記(2021/9/5)
手羽先のバルサミコ煮
ひき肉と高菜漬けの卵焼き
きゅうりと茗荷、もずくの柚梅つゆ和え
枝豆

*手羽先のバルサミコ煮
(焼き付けた手羽先を、だし1カップ、バルサミコ酢-大さじ1、醤油-小さじ2で煮上げた)

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