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2009年ハイドパークのブルース・スプリングスティーン(その1)〜アーカイブからの再掲

ブルース・スプリングスティーンは、現在欧州ツアー中。7月6日と8日にはロンドンのハイドパークで演奏しました。コンサートの様子をフォローしているうち、かつて書いていたブログを思い出し、掘り返してみました。

あぁ、そんなこともあったなぁ。ついこの間のことのように思うのですが、もう15年近く経ってます。当たり前ですが、私も今よりは若かった! そんな記録を披露するのも一興かと。

2009年6月28日、スプリングスティーンがハイドパークで行ったコンサート観戦記、一部修正して再掲します。

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音楽は大好きで、色々なジャンルのものを聴いてきましたが、ロックという世界で僕のバックボーンとなっているアーティストがブルース・スプリングスティーンです。吉祥寺のロック喫茶「赤毛とソバカス」で、彼の代表作「Born To Run」を聴いた時の衝撃は今でも体に染み付いています。

スプリングスティーンは、欧米に比し日本での人気は必ずしも高くないのか、97年を最後に日本での公演をありません。そんなスプリングスティーンのライブに、僕は幸運な巡り合わせにあり、昨年のロンドンを含め、7公演体験する事が出来ました。

それでも、今年のロンドン公演がハイドパークにおけるロック・フェスティバル、Hard Rock Callingへの出演と発表された時は、ちょっと複雑でした。

その1、ロック・フェスの出演だと、持ち時間に限りがあり消化不良になる懸念。その2、ただでさえエネルギーの要るスプリングスティーンのライブに、余計なものはくっついて欲しくない。その3、全席自由の公園において、場所を確保するのは億劫。

という事で躊躇したのですが、その3については、通常ステージ前に柵で仕切られたPitという場所が設けられるので、それなりに早くいけばそこに入れる。そうすれば、Pitの中の後方で気楽に見られるという事で解決。1は、スプリングスティーンに限って、消化不良は無いだろう。2は、未体験のバンドとの出会いもあるかもしれないというポジティブ志向で自分なりに解決し、チケットの入手に動きました。

今回のイギリス公演での話題は、世界最大のフェスティバル、グラストンベリーへの出演です。ハイドパーク公演の前日のパフォーマンスは、BBCで夜11時より放送され、「明日は早起きなのにー」と思いながら、観客としてのリハーサルを行ったのでした。

当日、ハイドパークに着いたのは7時半頃、ゲート前に集まる多くのファンを想像していたら、目の前に広がる光景は、


拍子抜けして、きょろきょろしていると、手招きする人を見つけました。1番に並び始めた人が、列を自主的に管理しているのです。手帳に名前を書いて貰い、順番を手の甲にマジックで記して貰います。番号は95、意外と早い番号です。「日本人なの? 知ってる日本語はコンニチワにアリガトウ。僕はイタリア人。。。。次の点呼は9時だから」 これからの話の為に、このイタリア人の名前をジェナーロとしておきましょう。

それからは、朝ごはんを食べたり、他のファンと話したり。最近のスプリングスティーンのコンサートでは、ファンが厚紙に演奏して欲しい曲を書いて彼に渡し、その中から演奏するというリクエスト・タイムが恒例となりました。そのサイン・ボードを掲げて記念撮影している人、「何書いてきたの?」「その曲俺も大好き!」「この曲はxx年に演奏されてうんぬんかんぬん」 こうして、のんびりと時間は過ぎていきました。ただ、このコンサートにPitは設けられない事が分かり、Pit内後方でビール飲みながら楽しむという選択肢は排除されたのでした。

さて、開場が近づく中、ジェナーロが列の整理を試みます。ゲートには24の入り口があるので、ここに番号順に並べると言うのです。ここで問題発生。意識的にか、気が付かなかったのか、番号を貰わずにゲート前に陣取った数人の人が、「俺達そんなルール知らないもんねー ここから動かされるいわれはないもんねー」と居座るのでした。結局、何となく番号順にゲート前に並ぶともなく、並ばないともなく、位置取りをしたのでした。

一方で、ジェナーロは係員の人に事情を説明し、メガホンで「番号のある人を優先的に通すという事です」とアナウンス。列のようで列でない集団に「当然だよね」と「そんなアホな」が交錯します。そして、ファンの揺れ動く心を抑えるかのように、サウンド・チェックの音、ブルースが歌う「Raise Your Hand」が流れてきたのでした


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