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“Weekend Pianist”からフルタイムへ〜“D flat“から元気をもらう

私の友人にF君という人がいる。40年近く前に、某金融機関に同期として入社し、東京・ロンドンで机を並べた。彼は昔ピアニストを目指していたがあきらめ、指揮者や作曲家を志望していた。そんな話を、聞いたことがあった。

働き始めてからも、音楽への愛情を持ち続け、ロンドンのフラットにはピアノが置かれていた。飲み屋で興に乗ると、そこに置かれたピアノを弾いてくれた。

F君はインベストメント・バンカー稼業を続けながらも、音楽への想いを持ち続け、自作自演を録音し各所に持ち込んでいた。そして、2007年ついにソニーからアルバム「Aperitifs」でメジャーデビューする。アーチスト、“D Flat“の誕生である。

デビューと相前後し、ライブ活動も開始、2009年から始めた目黒「ブルースアレイジャパン」でのコンサートは、今やクリスマスの定番イベントとなっている。(7月には広島でのライブもあり)

さらに、テレビ・プログラムやドラマの音楽も担当、2013年にCDも発表された「やまとの国宝」(NHK放送)、ドラマ「遺品整理人 谷崎藍子」、最近では深夜ドラマ「ひともんちゃくなら喜んで」などを手掛け、各作品とも配信サービスで聴くことができる。

これらの活動も通じて、作曲の幅もソロピアノから、様々な楽器のアンサンブルへと広げ、セカンド・アルバムの「Weekend Pianist」では、ヴァイオリン、チェロ、オーボエ奏者を迎え、より豊かになったサウンドが聴ける。

先日は、同じ同期がジャズ・スタンダードを歌い、“D flat“が伴奏するというライブも開かれた。我々も還暦を過ぎ、多くの友人が、やりたいこと、やりたかったことに人生の軸足を移しつつある。

“D flat"もバンカーとの二刀流を終え、Weekend Pianistからフルタイムの音楽家となった。

彼の活動や、このライブを聴きながら元気をもらい、自分も懸命に生きねば、楽しまねばと改めて感じた。

私の記憶では、“D flat“は目標とする音楽家として、「ニューシネマパラダイス」などで知られるエンニオ・モリコーネを挙げ、目標として彼のように映画音楽を創ることを話していたと思う。

“D flat“を応援し、彼が創る映画音楽を楽しみに待ちながら、自分もやり残すことがないよう、日々を送りたい

*こちらは彼の演奏する「Gratitude〜感謝」である
(YouTubeのチャンネルはこちら


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