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電子辞書を巡る旅(その4)〜最強の電子辞書で楽しむ(英和辞典編)

(承前)

カシオのXD-SX20000に収録されている英和辞典と収録語数は、以下の通りである。

リーダーズ英和辞典第三版[含むプラス](研究社)  280,000語
新英和大辞典第六版(研究社) 260,000語
ジーニアス英和大辞典(大修館書店) 255,000語
小学館ランダムハウス英和大辞典第二版 345,000語
ジーニアス英和辞典第五版(大修館書店) 105,000語
ウィズダム英和辞典第四版(三省堂) 104,000語
オーレックス英和辞典第二版(旺文社) 105,000語

“大辞典系“と、“学習辞典系“では、収録後数に相当な違いがある。ただし、日常的に使う中で、さほどの違いは感じない。我々が調べようとする単語の場合は、ほぼ全ての辞書に収録されている。

むしろ、その意味について“大辞典“系の方が多くの語義を収録している。あまり良い例えではないが、“leaf“を調べる。俗語としては、“マリファナ“の意味があるが、「リーダーズ」以下、大辞典系にはそれが掲載されているが、「ジーニアス英和辞典」以下の“学習系“は載せていない。“マリファナ“の意味がある、“pod“も同様である。一方で、“grass“や“weed"については、“学習系“でも“マリファナ“という意味が掲載されている。

差を感じるのは固有名詞で、私が「リーダーズ」を好むのは、固有名詞に滅法強いからである。例えば、先日逝去したギタリストのジェフ・ベック、“Beck“で調べると、固有名詞として掲載しているのは「リーダーズ」と「ランダムハウス」のみ。ただし、ジェフ・ベックとして載せているのは「リーダーズ」だけで、「ランダムハウス」はDave Beckという、<米国の労働運動指導者>として入れている。ちなみに、「リーダーズ」はDave Beckは入っておらず、上記のギタリスト、米漫画家のCC Beck、オランダの画家ヴァン・ダイクの弟子David Beckの3人である。

あるいは、英サッカーチームの競技場。新聞などでは、その本拠地スタジアムの名称を見出しに使ったりする。例えば、マンチェスター・ユナイテッドの“Old Trafford“、これを見出し語として収録しているのは、「リーダーズ」と「ランダムハウス」のみである。

それでは、他に特徴はあるのか。正直、そこまで使い切っていないのだが、すぐ分かったのは言葉の語源に関する表記である。

“dictionary“を検索する。ほとんどの辞書は、まさしく<辞書>という語義から始まるが、「ジーニアス英和大辞典」は、<初16c;中世ラテン語 dictionaries.「diction(言葉)+ーary(・・の場所)=単語を収納しておく所>と、語源から記述される。

この流れを受け、“学習系“の「ジーニアス英和辞典」も<原義:語彙(diction)に関するもの(ary)→単語のほん>という記述から始まっている。

英語の学習において、語源を頭に入れると応用が効く場合がある。“diction"、同根の“dict“が「言葉」「述べる」といった意味であることが分かれば、“dictate“(書きとらせる、口述する)、“dictation“(書き取り、口述)との関連づけられる。“predict“は、“pre-"(前に)とセットだから、(予言する)である。“contradict“になると、“contra-"(反対に)が分かれば、(否定する)となる。

ということで、語源を勉強したい方には「ジーニアス英和大辞典」、原義も多少踏まえながら英語学習するには「ジーニアス英和辞典」が良いだろう。

まだまだ、表面をなぞっているだけだが、辞書の世界、電子辞書の開く宇宙は広大である



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