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ロッド・スチュワート@有明アリーナ(その1)〜“雨を見たかい“の大合唱とクリティン・マクヴィーに捧ぐ一曲

2024年3月20日、ロッド・スチュワートの“One Last Time“ライブが有明アリーナで開催された。

以前に書いた通り、ロッドは「The Great American Songbook」などでスタンダード・ジャズ曲を録音しており、今回のライブがどのような感じになるのか、それが一つの楽しみであった。

有明アリーナは、相応の年齢層のファンを中心に埋まっていた。“客入れBGM“は、ジャズ、スティービー・ワンダー、フリートウッド・マックの“The Chain“など多種多彩。開演の17時を過ぎて場内が暗転、流れたのは“Scotland the Brave〜勇敢なるスコットランド“、ロッドの父親はスコットランド出身、彼の音楽の中には、スコットランドの血が感じられる。

そして登場したレジェンド、ロッド・スチュワートが最初に歌ったのは“Infatuation“、1984年のアルバム「Camouflage」からの楽曲、ロッドはスタンドマイクを駆使したパフォーマンスを披露し、いきなりロックで来た。

結局、この日はジャズのスタンダード曲は披露されず、自身のキャリアの集大成のような構成となった。2曲目にきたのが、Faces時代の“Ooh La La“。さらに私の大好きな名盤「Atlantic Crossing」から、アイズレー・ブラザースのカバー“This Old Heart of Mine“。続いて、2006年にリリースしたロックの名曲カバーアルバム「Great Rock Classics of Our Time」から、ボニー・タイラー(女性版ロッドとも言われていた気がする)の“It's a Heartache“。

5曲めに1988年の“Forever Young“。ロッドの声は、もちろん全盛期に比べると衰えがあるが、それでも‘🎵Forever Young‘と歌う姿には、平均年齢高めの観客全員が元気を、そして“若さ“を貰ったと思う。

それを示したかのように、続くCCRのカバー“Have You Ever Seen the Rain"では、会場が大合唱。ちょっと感動的なモーメントだった。

“Baby Jane“(1983年)、“The First Cut is the Deepest“(1976年のアルバム「A Night on the Town」より)、そして必殺の“Maggie May“。1971年の3rdアルバム「Every Picture Tells a Story」からのこの曲は、ロッドの作詞家としての魅力が前面に出ていると共に、多くの男性はちょっと切ない気持ちになるだろう。

個人的には、“Passion“(1980年)に続く場面に感動した。スクリーンには、2022年に他界したフリートウッド・マックのクリスティン・マクヴィーが映し出され、彼女が歌い、自身も録音した楽曲、“I'd Rather Go Blind“を披露した。この曲は、1967年にエタ・ジェイムズが発表したが、クリスティン・マクヴィー(当時はパーフェクト姓)が所属していたバンド、チキン・シャックのシングルとしてリリースした。この曲を、1972年のアルバム「Never a Dull Moment」で、 ロッドは盟友ロン・ウッドと共に録音している。

もしかしたら、“客入れBGM“でのフリートウッド・マックはこの伏線だったのか。いずれにせよ、いなくなった仲間たちに捧げる、ロッド・スチュワートのリスペクトを込めた一曲、うれしかった。

コンサートは後半へと突入する



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