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いよいよクライマックス、NFLスーパーボウル(その2)〜強豪の激突を展望しよう

(承前)

AFC代表のカンザスシティ・チーフス(以下、KC)。1969年の第4回スーパーボウル(以下、SB)優勝ですが、50年もの間、出場から遠ざっていました。2013年に現在のヘッドコーチ(HC)アンディ・リードを迎え、力をつけていきました。2017年QBパトリック・マホームズの獲得が起爆剤となり、2019、2020、2022年、そして今シーズンとSB出場、2019と2022年は優勝。今のNFLを代表する強豪チームと言える、ディフェンディング・チャンピオンです。

一方のNFC代表サンフランシスコ・49ers(以下、SF)。1980年代に、“史上最高のQB“とも称されるジョー・モンタナを擁し、4度のSB出場そしてすべて勝利。1994年にもSB優勝していますが、2000年代に入ってからは2012、2019年とSB出場するも敗退。そして、2019年に敗れた相手がKCです。HCカイル・シャナハンは雪辱を期します。

両者の対決は今シーズンはなし、昨シーズンは第7週で対戦KCが44−23で勝っていますが、あまり参考にはならないでしょう。むしろ、大方の予想を反映している、スポーツ・ベッティングの賭け率が参考になります。今回はギャンブルの本場、ラスベガスでのSBですので、賭けの方も盛り上がっているでしょう。

2月5日付ESPNの記事をベースにスプレッドを見ると、<SF -2>とあります。これは、49ersが優勢、点差予想は2点という意味です。さらにMoney Lineの方は、<SF -130/KC +110>となっています。これはSFの勝利に賭けて100ドル儲けるには130ドル賭ける必要がある、つまり1.77倍ということ。一方のKC勝利の場合は100ドル賭けると110ドル儲かる、つまり2.1倍ということです。要は、実力はかなり拮抗していて、若干SF優勢と見る向きが多いということです。

一方で、ESPNが識者に予想をたずねたところ、64人中49人がKC勝利との予想をしています。さて、どちらが正しいのか。

注目すべき選手の第1はQBですが、KCのマホームズは、2017年ドラフト1巡目10位で指名され、翌年から正QBとなりMVP獲得。2019年シーズンはSB制覇、2020年SB出場(敗退)するも、2022年3度目のSB出場で勝利、2度目のMVP。大谷翔平には及びませんが、ESPNの記事にある年俸は59百万ドル(約87億円)とNFLトップのスーパースターです。

一方のSFのQBブロック・パーディー。2022年のドラフト最下位、通称“Mr. Irrelevant〜ミスター関係ない“で入団。ところが、シーズン当初に前年のドラフト3位で入団したQBランスが負傷、中盤には2番手のQBも怪我したため、正QBに。すると、チームは負け知らずとなり、NFC決勝まで進出。あと1勝でSB出場だったのですが、パーディーが負傷し、涙をのみました。なお、年俸は870千ドル(約1.3億円)と破格の安さ、マホームズの1試合分によりも低額です。この両者の出来不出来が、試合を大きく左右するでしょう。

もう一つの興味深いマッチアップは、タイトエンド(TE)。前回“縁の下の力持ち“と称した5人の選手のすぐ外側に位置し、相手選手のブロックとパスキャッチの二刀流が要求されるポジションです。KCのトライヴィス・“テイラー『アメリカの恋人』スウィフトが恋人“・ケルシー(87番)、SFのジョージ・キトル(85番)共に、甲乙つけ難いトップ選手であり、NFL史上最高のTEとも言えます。彼らが、着実にゲインを稼げるか、これもポイントでしょう。

もう一つの視点は守備力です。失点の少なさで見ると、今シーズンKCがリーグ2位、SFが3位と強力なディフェンスを誇ります。与えた被ヤード数で見ると、パスに対してKCが4位に対し、SFが14位、ランについてはSF3位、KCが18位。この数字を見ると、SFはKCのパス攻撃を止められるか、KCはSFのラン攻撃に対応できるかが鍵となるように見えます。特にSFにはMVP候補とも言われるランニング・バック(RB)マキャフリーがいるので、彼をストップできるのかです。

守備陣の注目はKCのクリス・ジョーンズ(95番)、最前線中央ディフェンシブ・タックル(DT)に位置します。SFの方は、最前線外側のディフェンシブ・エンド(DE)のニック・ボサ。彼がマホームズに襲いかかれるか。そして第二線ラインバッカー(LB)のフレッド・ワーナー(54番)、シーズンタックル数は出場選手中で最多です。

見どころ豊富な、今回のスーパーボウル(プレビューはこちら)。大いに楽しみましょう!!


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