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終わってみれば〜シンビン続出のラグビーチャンピオンシップ閉幕

南半球の四カ国対抗ラグビー、チャンピオンシップが終了した。

テストマッチに3連敗し、アルゼンチンにも敗れたニュージーランド・オールブラックスについて、先月に「どうしたオールブラックス!」として書いた。その後のチャンピオンシップでの戦いはどうなったのだろう。

最終の第5・6節、ニュージーランドはオーストラリアとのブレディスロー・カップ2連戦となった。

その第1戦、オールブラックスは後半15分の時点で31ー13とリードを広げ、そのまま完勝の勢いかと思われたが、オーストラリアが猛追。37分に、SHニック・ホワイトが長いPKを決め、ワラビーズが37ー34と遂に逆転する。終了直前、オールブラックスは敵陣深く攻め込むも、痛恨のペナルティーを献上。これで終了かと思われたが、オーストラリアがリスタートを意図的に遅延したとして反則を取られ、ニュージーランドのボールに。オールブラックスは、この最後のチャンスを生かしてトライを決め39ー37と劇的な逆転勝利を収めた。勝つには勝ったが、運を味方につけた感もあり、これで復調とは言い難かった。

そして最終節、オーストラリアとの第2戦は、地元オークランド、イーデン・パークでの対戦。この地でニュージーランドは1986年以来、オーストラリアに22連勝中。まさしく、負けられない1戦で、結果は40ー14という予想外の大差でオールブラックスが勝利した。オーストラリアは、ホロウェイ、ポレッキーが反則でイエローカードをもらい、それぞれ10分間の退場となったのも痛かった。

オールブラックスは、ボーナスポイントも獲得し暫定首位。後に控える、南アフリカとアルゼンチンの試合結果を待つこととなった。

南アフリカは優勝するためには、ボーナスポイントの獲得と大差での勝利が求められた。南アはこれを意識したか、PGのチャンスにも狙わず、あくまでもトライにこだわる試合運びをしながら先行する。しかし、アルゼンチンはあきらめずに追いすがり、一時は17−14と3点差まで迫りひょっとしたらとも思わせた。最終的には、38−21でスプリングボクスが勝利。ただ、これではニュージーランドを逆転することはできず、2位にとどまった。それにしても、負けはしたがアルゼンチンの強さが披露された。

ということで、終わってみればニュージーランドの優勝だが、気になったのは退場者が多いこと。南アvsアルゼンチンでは、南アが2人、アルゼンチンはなんと4人にイエローカードが出た。試合の相当部分が15人vs15人で行われていないことになる。第5節も、多くのイエローカードが提示されており、第5・6節の4試合で、16人がシンビン入りした。

危険なプレーに対するジャッジが厳しくなっていること、ゴール前でトライを阻止するための意図的な反則への対応が厳格になっていることがその背景にあると思う。ただ、あまりにもカードが出過ぎると、ゲームの性質が変化するようにも思える。

この傾向は、これからどうなるのだろう。個人的には、カードは最少限であって欲しいと思うのだが。この後の、テストマッチを見守ろう。

オールブラックスは、来月来日、ジャパンと対戦。そして、10月29日のスコットランドvsオーストラリア戦を皮切りに、欧州でのオータム・ネーションズ・シリーズが開幕。オールブラックスは、ウェールズ、スコットランド、イングランドと対戦。ジャパンは、イングランド、フランスと敵地で戦う。アルゼンチンも、欧州の強豪と対戦予定で、こちらも注目したい。

念のためだが、来年のラグビーW杯、日本はイングランド、アルゼンチンと同組である

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