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「おかえりモネ」スタート〜石ノ森章太郎の「変身忍者 嵐」

NHKの朝ドラ「おかえりモネ」が始まった。宮城県登米市が舞台になっている。登米市はマンガ家、石ノ森章太郎の出身地で、「石ノ森章太郎 特別原画展」が開催される設定になっている。そこを訪れる気象キャスター役の西島秀俊は石ノ森章太郎ファンで、原画展でグッズを買い、記念写真を撮っていた。

石ノ森章太郎の代表作と言えば、なんと言っても「サイボーグ009」で、ドラマの中で西島秀俊が買ったグッズは009のスカーフである。「おかえりモネ」をきっかけに、石ノ森章太郎プチ・ブームが起こると面白いのではないかと思う。

そこで、石ノ森章太郎について。009については、いつかまた書きたいが、今日は隠れた名作「変身忍者 嵐」である。同年代の人なら、1972年4月から放送された特撮TV番組を覚えているかもしれない。石ノ森は同名のマンガを少年マガジンに連載した。

主人公ハヤテの父は“化身忍法”という変身術をあみだすが、その秘法を血車党という集団が盗み出し、父は殺される。父は生前ハヤテに変身術を体に仕込んでおり、ハヤテはそれを駆使して血車党滅亡に乗り出す。

大枠の設定は、テレビと共通であるが、マンガは独自の世界を展開する。全編に溢れる寂寥感が素晴らしく、大人の鑑賞に耐える物語となっている。そして、改めて石ノ森章太郎の画力に痺れる。カット割りの見事さ、見開き全面を使った絵の迫力、美しい活劇が全編で繰り広げられている。

また、終演に向かってのハヤテが感じる無力感、そして最後のどんでん返しと、余韻を残しながらも、見事なエンディングに仕立てている。

気のせいか、「鬼滅の刃」に通じるところがあると感じるのは、私だけだろうか


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