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尊富士、110年振りの新入幕優勝!〜日刊スポーツの素晴らしい紙面

大相撲春場所は、尊富士が110年ぶりの新入幕優勝を飾った。14日目に負傷、出場が危ぶまれた千秋楽だったが、横綱・照ノ富士の後押しもあり、怪我をおして土俵をつとめ見事勝利を飾った。

土俵下に控えていた同じ伊勢ヶ濱部屋の翠富士の心配そうな表情も印象的だった。弟弟子の一番に気持ちが入りすぎたのか、翠富士自身の相撲は精彩を欠き、負け越してしまった。休場の横綱は仕方がないとして、幕内の熱海富士、錦富士、今場所は十両筆頭に陥落しての相撲になったが宝富士らは勝ち越し、伊勢ヶ濱部屋の関取パーフェクトかと思われたが、そうはならなかった。

NHKのテレビ解説は、師匠の伊勢ヶ濱親方(元旭富士)だったが、いつもクールな親方も流石にグッと車のがあったようで、その姿・言葉も感動的だった。

さて、優勝の翌日の朝刊、日刊スポーツの紙面が素晴らしかった。一面で優勝を伝えたのは当然とし、2−3面に展開した紙面が良かった。

110年ぶりと言われても、ちょっとピンとこないが、2面にわたって大正3年の両国から110年間の優勝力士の名前を並べた。双葉山ら伝説の力士、レジェンド大鵬、私が見始めた頃の北の富士、貴ノ花初優勝の時の感動、輪湖時代になにげに優勝した金剛、師匠旭富士などなどなど。110年の歴史と思い出が蘇ってくる。

さらに、110年前の出来事。1914年はどんな年だったか。記事によると、ベーブ・ルースが投手としてレッドソックスでデビューする。宝塚歌劇団の初公演、夏目漱石の「こころ」連載開始、三越にライオン像と日本初のエスカレーターが登場した。そしてNHK朝ドラ「ブギウギ」のモデルとなった、笠置シヅ子が生まれた年である。

110年前という時が、少し身近に感じられてくるではないか。

私は、日本経済新聞、朝日新聞、毎日新聞、英Times、New York Timesを購読しているが(整理すべきだとも思うが)、日刊スポーツ以外はすべてデジタル。PC・タブレット上で紙面のイメージで読むことが多いが、この紙面を見せられると、大きな物理的紙の新聞の迫力を改めて感じる。

これはデジタルな紙面では決して表現できない記事である。

尊富士はもちろん“大あっぱれ“だが、それを受けての日刊スポーツにも“あっぱれ“を差し上げたい!


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