旅の記憶18〜徳島の“月見ラーメン“

9月27日の毎日新聞朝刊、山田祐一郎の連載「つるつる道をゆく」で、<いわゆる“月見ラーメン“に出合える県が四国にある>とし、徳島のラーメンを紹介ている。

数年前、大学の同窓会を、ひょんなことから徳島で開催した。鳴門に宿泊し、どんちゃん騒ぎ、いい歳して酔い潰れた者もいた。

翌日はゴルフ組と観光組に分かれ、ゴルフをやらない私は、定番の鳴門の渦潮を見に行った。その後、大塚国際美術館を訪れたが、これが予想外に素晴らしかった。大塚グループが設立したこの美術館は、陶版を使って世界中の名画を再現している。

所詮、レプリカと斜に構えていたが、執念すら感じられる展示に圧倒された。教科書や画集でしか知らない絵の実物を見る意義の一つは、絵のサイズを体感することにあると思う。例えば、ダヴィッドの「ナポレオン1世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠」などは、あの巨大な大きさが重要である。

大塚国際美術館では、それが体験できる。それどころか、システィナ礼拝堂の空間まで再現している。所蔵作品の多さに、お腹いっぱいになることは間違いない。ここで、世界の名画を認知して、できることなら海外で本物を見ると良いだろう。

さて、その前日、早目に徳島に到着した私は、眉山にロープウェイで上がり足跡を残した。そして、下山し、逃すことはできない徳島ラーメンに向かった。行き先は、前述の連載でも紹介された、「いのたに本店」である。

食券を買うのだが、徳島の中華そばに欠かせないのは生卵である。そして、ご飯。地元の人らしき客のほとんどが、このセットである。

そのお味だが、山田氏の表現を引用する。<褐色のスープは、だしの力強さとともにしょうゆのうまみをしっかりと舌に伝える>、そしてチャーシューではない肉は、<甘辛く味付けされた豚バラ肉が実によいアクセント>。そうそう、記憶が蘇っってきた。

<頃合いで生卵を崩すと、スープがグンとまろやかに>。このスープ、そして肉がごはんにめちゃくちゃ合うのだ。

徳島の“月見ラーメン“、また食べに行きたい!


献立日記(2021/9/28)
ハラミ、たん塩焼き
チョレギサラダ
もやしのナムル



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?