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「メディア王」はファイナル・シーズンへ〜“華麗なる一族“の行く末は必見!

1年前、海外ドラマ「メディア王〜華麗なる一族」(原題:"Succession")について記事にした。シーズン1〜3を一気に観た感想で、このドラマの概要はそちらを参照して欲しい。

「メディア王」、ゴールデングローブ賞、エミー賞など、テレビドラマの世界で評価されてきた作品だが、5月の末から最終シーズンとなるシーズン4(全10回)がU-NEXTで配信され、私も大いに楽しんだ。

一代でメディア王国を築き上げたローガン・ロイ。彼が独裁者のように差配するコングロマリットの承継について、彼の息子・娘夫婦らが微妙な関係を保ちながら主導権争いをする。見方にもよるだろうが、醜いエゴのぶつかり合いである。

このどうしようもない一家の話を、どう収束させるのかが、フォローして来た視聴者の関心の一つであろう。それを見届けられるのか、私は若干不安であった。トータル39話も視聴し、あげくの果てに消化不要で終わるのではと。

そんな心配は一切無用である。

最後の最後まで、緊張感を持続しながらエンディングにもっていく。シーズン3まで観ている方、早く進みましょう。まだ観ていない方は、39話観る価値あります。

アメリカは不思議な国である。世界から優秀な頭脳が集まり、イノベーションを起こす。アメリカにはこうした良い側面も沢山ある。一方で、このドラマに登場する人々のように、とんでもない金持ちが存在し、富むものはますますお金を吸い上げる仕組みの中、格差は拡大を続けている。

アメリカはその国力を背景に世界のリーダーだったが、その地位は地盤沈下している。他国はアメリカがお手本だとは考えていない。しかしながら、アメリカは大国であって欲しいと願う国も相当程度あるだろう。

「メディア王」というドラマは、ロイ家という“華麗なる一族“のドタバタを描くことにより、アメリカという国の状況を表現しようとしたのではないか。この最終シーズンは、こうしたことを考えるきっかけになったように思えた。

アメリカの抱える複雑性を、このドラマは写していたのだ。こうした感想は、シーズン3まではまったく抱かなかったのだが、この最終シーズンには深みを感じた。

最後まで見届けてよかった



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