銀座「おのでら」〜赤酢の酢飯がはらり

現在歌舞伎座は3部制、第3部がは8時開演で終演は20時半ごろ。その第3部を観劇するのだが、夕食をどうするか。時短営業下、終演後というわけにはいかない。安直なのは、開演前に歌舞伎座内で、事前に注文できる弁当などを食べる。それは最後の手段として、17時頃から開けている店も多いだろうから、探してみる。

歌舞伎座のすぐ近くに、一度行ってみようと思っていた、寿司屋の「おのでら」があることがひらめく。ホームページを覗いてみると、こういう御時世なのか、15時からの特別コースというのがあった。 一番安いのが、握りのコース税抜き1万円。高価、夕食には早いが、ハレの日でもある、スタートは15時半まではずらせるとのことなので、お願いした。

店は10名程度のカウンター、先客2名、その他、テーブル席と貸切にもできるカウンター席がもう一つあるようだ。いくらをのせた茶碗蒸しの後、握りがスタート。 金目鯛からだったが、ネタの旨さもさることながら、酢飯が素晴らしい。赤酢を使った柔らかな味のお米を、ギリギリの固さで握っているのか、口に入れるとはらりと米の粒が分かれる。

その後は、マグロの漬け、マコガレイ、ホッキ貝、そして、タイミングよく茹で上がったばかりの毛蟹に蟹味噌をのせて出された。 どの握りも、それぞれのネタの香りがする。

大阪湾で取れたというイワシは丁度良いあぶらののり具合、元気な姿を見せて下さった車海老、レアに茹で上げられ海老みそを挟んで握られた。握り手を始めとするカウンター内のスタッフは、終始リラックスムードで接してくれ、「ミートボールです」と冗談を言いながら出されたのは、トロたく。春子(かすご)、 平貝、中トロ。

ノドグロの炙りの後、ウニはバフン雲丹またはムラサキ雲丹の選択制。北海道出身の職人は、雲丹にはやはりこだわりがあるようだが、札幌「すし善」で食べた雲丹に匹敵する美味さだった。

食が細くなった私には、鮨13貫は十分すぎる量で、このクオリティで1万円はコスト・パフォーマンス、極めて高い

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