見出し画像

電子辞書を巡る旅(その2)〜「広辞苑」から最強の電子辞書へ

(承前)

この記事は、そもそも「カシオの電子辞書、プロフェッショナルモデルがお買い得ですよ」というメッセージを発信する目的だった。

ところが、書き始めると、私の電子辞書遍歴になってきたので、改稿した。「お買い得情報」は最後に記す。

さて、2018年初頭「広辞苑第7版」(岩波書店)が発刊されると、次に欲しくなったのは、この新版を収録した電子辞書である。さらに、英語については、昨日書いた携帯型のSR-G7000Mに「リーダーズ英和辞典」が入っているのだが、机上ではキーが小さすぎて使い勝手が悪い。

そして1年後、2019年カシオは電子辞書EX-wordシリーズのビジネスモデルに新版「広辞苑」を搭載、『EX-word DATAPLUS10』(XD-Z8500)を発売する。英語系は、「リーダーズ英和辞典第3版」(研究社)と「ジーニアス英和辞典第5版」(大修館書店)、読書用辞書と学習辞書のコンビ、完璧である。

このモデルの購入によって、私の電子辞書を巡る旅は終着点に達したと思った。しかし、それは3年程度しかもたなかった。

家では「広辞苑第7版」(岩波書店)の入ったカシオの『EX-word DATAPLUS10』(XD-Z8500)、会社では昨日記事にした、中国語対応の『EX-word DATAPLUS6』(英語は「ジーニアス英和大辞典」を収録)を使用していた。

会社で使用する『DATAPLUS6』は国語については、「デジタル大辞泉」(小学館)と「明鏡国語辞典」(大修館書店)が収録されているのだが、何か不満というか不安を感じていた。英語はやはり「リーダーズ」が欲しい。また、サンキュータツオの「国語辞典の遊び方」を読んでからは、各種辞典の個性も気になった。

そうして、昨年電子辞書を物色した。電子辞書と言えば、かつてはカシオ、シャープ、セイコーインスツル(SII)が競合していた。しかし、SIIは撤退、シャープは出してはいるが気合いが全く感じられない。カシオ一択となっている。

やはり、スマホの普及、“本離れ“などから電子辞書に対するニーズは受験生以外は低下したのだろうか。ネットで調べものはできるが、言葉に関しては辞書がその利便性・信頼性からはるかに優れたツールだと思うのだが。

「広辞苑」と「リーダーズ」が収録されていることを条件にすると、カシオのラインアップでは、プロフェッショナルモデル(PM)とビジネスモデル(BM)にほぼ限定される。収録辞書を見ると、PM・BMとも「明鏡国語辞典」も収録されているが、PMにはそれらに加えて、「精選版日本国語辞典」(小学館)、「新明解国語辞典第7版」(三省堂、2011年12月発売)が入る。また、BPには古語辞典が入っていない。

英語系に至っては、「新英和大辞典第6版」(研究社)、「ジーニアス英和大辞典」(大修館書店)、「小学館ランダムハウス英和大辞典第2版」が入っている。これら大辞典は、最も新しい「新英和」でも2002年と少し古いのだが、そばにあるだけで安心感がある。

私の検討対象はPMのXD-SD20000に絞られた。しかし、オンライン価格は70,400円。とてもじゃないが買える値段ではない。もっとも、実際はこの価格で売られているわけではなかろうと、Amazon等で調べると、4万〜5万円。これなら検討に値する。

結局、私は43,500円で購入した。以来、会社のデスクで毎日活躍している。一括検索の機能があるので、一つの言葉を入力すると複数の辞書からの答えが表示される。そんなことが必要なのかーもちろん必要はないが、時折面白い発見がある。

こうして、これ以上は要求できない電子辞書を手に入れ、私の心は落ち着いたのである。もう何が来ても(何も来ないが)大丈夫である。その精神衛生的な価値だけでも、買った価値があるではないか。

さて、このPMモデルの最新版が発売されることになった。XD-SD21000で、現在予約受付中、価格は75,900円。発売前なので、Amazon等にはまだ出ていない。

私の持っている前モデルとの違いは、「明鏡」「新明解」「ジーニアス英和」が最新版になっていること。私は、紙の辞書も欲しいので2020年発売の「新明解国語辞典第8版」は机上に備えている。

この点さえ気にしなければ、新モデル発売にともない、私の持つ旧モデルがお買い得になっている。Amazonでは39,500円、価格.comで調べるとさらに安い店もある。

ちなみに、カシオの高校生向けモデルも、収録辞書が充実しており良いと思う。こちらも新モデル発売予定となっており、旧モデルは2万円台後半。PMとの価格差1万円をどう考えるかである。

なお、両辞書とも日本大百科事典(ニッポニカ)とブリタニカ国際大百科事典が収録されており、これが結構便利である。PMには、さらに百科事典(マイペディア)が搭載されている。

いずれにせよ、旧モデルの電子辞書は今が買い時だと思う


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?