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“八海山“が眠る巨大な雪室を見学〜「魚沼の里」
国際大学のイベントの翌日、大学スタッフが「魚沼の里」に案内してくれた。八海山の麓に、八海醸造が中心となって作った、観光施設である。
国際大学が位置する魚沼は、コシヒカリで有名だが、八海山、魚野川と自然に恵まれた場所である。水と米と来れば酒である。中でも、“八海山“は全国的に有名な銘柄である。
「魚沼の里」で見学できる施設の一つが、“八海山雪室“。雪室とは天然の冷蔵庫。雪の中に保存すべきものを埋める“かまくら型“は古くから使われているが、建築・輸送技術などの発達でできたのが“氷室型“で、遮熱性の高い建物の中に雪を入れ室内を冷やす方法だ。
八海醸造では氷室型を使用しており、それを見学することができる。巨大な雪室に入ると、室温は4.4度、外は暑く半袖の身には結構こたえる。まず目に入るのは、日本酒“八海山“を入れた銀のタンク、同時にほのかな日本酒の良い香りが鼻をくすぐる。純米大吟醸の“八海山“がここで3年間貯蔵され、“純米大吟醸 八海山 雪室貯蔵三年“として販売される。
その隣には巨大な雪のかたまり。冬の間に降り積もる雪をブルドーザーなどの重機で運び込み、ファンで飛ばして積み上げているそうだ。そして、この雪の塊の冷気だけでこの雪室は冷やされている。照明以外、電気は使われていない。究極のエコである。雪は徐々に溶けているが溶けきることはなく、真夏でも5度を超えることなない上、内部は乾燥することなく、お酒がやさしく寝かされるのである。
雪室を出ると、焼酎の貯蔵庫。八海醸造では、かなり前から焼酎を作っており、10年ほど前から販売している。米焼酎と酒粕から作るカス取り焼酎。面白いサービスは、購入した方からボトルを預かるサービスである。ボトル・キープし、将来の特別な日に取り出して飲むことができる。
そして、試飲カウンター。私は、もちろん“雪室貯蔵三年“を飲ませていただく。松山英樹がマスターズで優勝、その記念ディナーでふるまわれたお酒である。流石に寝かせただけあって、しっかりとした味わい、アルコール度数も17度と高めで、複雑で奥深い。早速、購入とあいなった。
施設の外に出ると、菜の花が咲き乱れ、散策しているとカタクリの花が咲いていた。少し上がったところには、ビールの醸造所もあるが、そこからの景色も美しい。久しぶりに自然と接した。
雪国の生活を知らない私は、最初の冬、とてつもない量の雪に驚き、悪戦苦闘したこともあった。それでも、慣れると自然に囲まれた生活が、いかに豊かであるかを認識した。毎日、車で学校まで通ったが、季節の変化が、日々、ウィンドウ越しに見える山の景色から感じられた。
浦佐駅までの道すがら、そんなことを想い出していた
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