2024.7.23(ギターオタク)

 毎日出社ってえ。

 までも慣れてきた気もする。在宅してた時にしても、そんなに有意義に過ごしてたかっていうとそんなこともない。サボるにしてもギターの練習をかっちりやったり、本を読んだり運動したりしているならいいが、まあ往々にしてだらだらスマホを見るか、ギター弾くにしても無目的にやっちゃうとか、あるいは昼寝してるとか、そういう過ごしかたばかりしていたわけなので、それに比べたら会社に拘束されて日記でも書いている方がまだしもいいのかもしれない。というか、ノリが変わるのが大事だ。生活のノリ。気分のノリ。在宅で固まりかけていた「まあいいやあ」のノリ。なにかと現状に固着しがちで、そこへきて毎日出社という変調があったことはそこそこポジティブにとらえてもいる。朝起きるときはマジで「うあーーー」しか言ってないけど。

 最近結構よく寝られてる気がする。一日中ヒマしてた時は本当に四六時中横になってたので、疲れなさ過ぎて眠れなかったのかもしんない。まあポジティブなことばかり書いているけど理想としては午前だけ出社して働いて、あとはフリータイムみたいなのが一番いい。規律と自由のハイブリッド。坂口恭平とかがすごいのはあれだけ自由にやっているように見えつつも一日のスケジュールはかっちり決めて毎日継続していることだ。それも事務ということだろう。

 「生きのびるための事務」を読んで感化されて、あの円グラフ状の一日のスケジュールを立てようとしたんだけど、「練習」「練習」みたいな感じで、いわゆる「製作」みたいなことが入ってこなくて往生した。なんにしても制作しないとそれを売ることもできないわけで、どうすりゃいいんだというわけ。たぶん今書いたらまた変わってくると思うけど。

 最近歌の練習してたのもあって(在宅の時はそれこそパソコンカタカタしながら歌ってたりしたんだけど)のど飴をなめるのが習慣になってしまって、別にそんな気分でなくてもなめ続けている。おばあさんの口臭になりそうだ。

 歌。最近あんまできてない。でもいったん声楽的な知識を入れたのはよかったかもしんない。それに従ってコテコテに練習しようとするとかえっておかしくするので、一応基本的な知識は入れつつ、ゆるいペースでやっておく。そもそも喉っていうのは短期集中で変えようとしてはならないものだし(繊細な器官だから)、楽器を扱う以上にそのやりかたは感覚的なものだから、詰め込んで練習したところで理解できるとは限らない。それどころか悪い癖がつくこともある。

 ジャガーのフレットがよくないのか、ネックがハイ起きしているのか、15フレット以降でベンドすると音が詰まるようになった。なった、のか、もともとそうだったのかはよくわからない。借り物なのであまり手を入れすぎたくないのだが、借り物だからこそ不具合を放置して返すわけにもいかない。もっとも持ち主は当分返せとは言わないでくれそうだけど、それならそれでフェンダー系のメインとして使っていきたいのでやはり直したい。直すしかないかなあ。すり合わせ程度で済むといいのだけど。学生時代持っていたテレキャスターを倒して、15フレットあたりに傷が入ってしまったことがあった。その時はその箇所以降のフレットを一生懸命紙やすりで整形して普通に弾けるように戻した。金はかからないとはいえリスクが高いしだいいちものすごく面倒なのでやはりやるならプロに頼みたいところ。まあ、少し弦高を上げて様子を見るのが先かな。

 先日のスタジオではジャガーがかなりいい仕事をしてくれた。スピーカーを換えたRolandのアンプもかなりよかったし。このアンプはGA15というやつで、同じシリーズのGA20というのは前から愛用しているのだが、どうも回路設計が違うのではという気がする。GA20はボリュームが一つあって、EQとリバーブがあって、さらにディストーションというつまみがある。これが曲者で、大きくは効かないけれど一応ディストーションっぽく中域を抜いたような音になる。まあほとんどJC-120と同じような効き方。たいしてGA15は、回路上のスペースの問題なのか、廉価版として差をつけるためか、ボリュームが二つ(一つはマスター)で、2種類のインプットによって歪むかどうかを分けている。でもクリーンチャンネル側でも(マスターでない方の)ボリュームは入力ゲインということなのか、ちょっと歪む。この歪み方、音の膨らみ方がどういうわけかけっこう真空管っぽい。ぼおっと音が飽和する感じ。なので、EQを控えめにしてもこもった感じにならないくらいにボリュームを上げるとかなり「太い」音になる。

 このセッティングと、ジャガーの相性が妙にいい。まずこの太さの飽和した状態のアンプとジャガーの鋭くも構造的にローも出るというつくりが上手いことバランスする。鋭いのに太いという理想的な状態。さらに、あの誰も使ってないであろうローカットのスイッチがきちんと機能してくれる。その歪んだ状態からローをカットすることでファンクのバッキングができるくらいにクリーンな状態になるのだ。テレキャスターでいうところのハイパスコンデンサ的な役割をスイッチ一つに担わせることができる。いくら慣れているといっても演奏中にボリュームを絞って程よいところに持っていくにはけっこう意識を持っていかれるもので、なおかつハイパスは個人的には効きすぎるきらいがあって苦手だ。ジャガーのローカットは割と程よいところに持って行ってくれる(もう少しだけ効いてくれてもいいんだけど)。

 逆にプリセットトーンはどうかというと、これはそこまで使うことは多くないがやはりスイッチ一つでこもらせることができるのは案外使える。たとえば鍵盤っぽいフレーズを弾きたいときはあまりギター的なアタックをはっきりさせたくないので、そういう時にオンにしたりする。

 そもそも、昔はアンプをマイキングしてPAから出すようなやりかたはしなくて、というかそれに見合った機材がないからアンプで拡声していたはずだ。そして昔のアンプというのは真空管だから、さっきも書いたようにボリュームを上げるほどに音が膨らんでいくわけだ。だからクリーンな音を出したければどこかで(中)低域を削ってやらねばならない。それがジャガーのローカットスイッチであり、ES-355や345のヴァリトーンスイッチであり、70年代以降のフェンダーのサウンドであり、だったのではないか。その究極はレス・ポール・レコーディングのローインピーダンスピックアップだけれど、エレキギターといえばあの歪んで膨らんだ音、というロック勢が台頭していただろうし、いわゆるハイ・ファイなアンプやPA機材も発達していたから、ギター側でそこまでしなくてもよくなったのではないかという気もする。極端な話、JC-120があればギター側のローカットでバランスをとる必要なんてないはずだ。どこまで音量を上げてもクリアなアンプがあるのだから。レス・ポール氏がJC-120を好んで使ったという話は聞いたことがないし、調べても出てこない。ローインピーダンスPUがあるからいらなかったのかしら? とにかく、50年代の黎明期と、そこから20年近く経った70年代あたりだと求められる音も環境も異なってきたのだろうと思う。まあともかく楽器メーカー側はわりとハイファイな方向に向かっていっているというか、ハイファイというか解像度の高さ、豊かさというものの認識自体が変化していったというか。ビンテージという概念が生まれる前の話。

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