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くらしかるブッディズム

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昔から暮らしのなかで使われてきた仏教の言葉を、いま再び見つめ直してみるコーナー。第1~6回はこちら→https://temple.nichiren.or.jp/1081018-s…
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2024年3月の記事一覧

袖振り合うも他生の縁【くらしかるブッディズム】vol.11

【くらしかるブッディズム】は、昔から使われてきた仏教の言葉を、いま再び見つめ直すコーナーです。 第11回は、「袖振り合うも他生の縁」です。 ・・・・・・・・・・・・・・ 「袖振り合うも他生の縁」というのは、道端ですれ違った人と服の袖が少し触れ合うような、ほんのささいなことにも、前世のどこかで結ばれた因縁が関係しているものだ、という意味の言葉です。 「他生」というのは、いま現在自分が生きている人生ではない、他の人生のことで、ここでは前世のどこかの時点での生存を指していま

大丈夫【くらしかるブッディズム】vol.10

【くらしかるブッディズム】は、昔から使われてきた仏教の言葉を、いま再び見つめ直すコーナーです。 第10回は、「大丈夫」です。 大丈夫 「大丈夫」という言葉はとても便利で、日常のさまざまな場面で使われますね。 「あの人なら任せても大丈夫だろう」とか、「ここ座っても大丈夫ですか」とか、茹でているじゃがいもに竹串を刺して「そろそろ大丈夫かな」とか… じゃあ、どんな意味で使っているのかと言うと、場面の違いこそあれ、大体は「心配ない」とか「問題ない」という意味で使われていると

大袈裟【くらしかるブッディズム】vol.9

【くらしかるブッディズム】は、昔から使われてきた仏教の言葉を、いま再び見つめ直すコーナーです。 第9回は、「大袈裟」です。 「大袈裟」って、漢字で書くと少し仰々しいですね。たとえば、ちょっとたちの悪い虫にさされて肌が赤く腫れてしまって、わあわあ騒いでいる人に、薬を塗ってあげながら「もう、大袈裟だなあ」と言ったりしますが、こういうときは半分ひらがなの「大げさ」くらいのニュアンスで、お坊さんが身に付けている「袈裟」のことなんか念頭にないような気がします。 袈裟と言っても、「