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#仏教

観世音菩薩普門品第二十五⑩【はじめての法華経】vol.18

【はじめての法華経】は、私が法華経を少しずつ読んでいく過程を報告するコーナーです。(マガジンはこちら) 現在、『妙法蓮華経』「観世音菩薩普門品第二十五」を少しずつ読み進めております。 さて、前回読んだ部分は、観世音菩薩の「三十三身」が説かれ始めたところでした。まず、第一身は「仏」でしたね。 今回は、第二身と第三身について説かれる部分を読んでいきましょう。 応以辟支仏身。得度者。即現辟支仏身。而為説法。 辟支仏の身を以て得度すべき者には、即ち辟支仏の身を現じて為に法を

菩薩【仏教用語解説】vol.35

【仏教用語解説】のコーナーでは、さまざまな仏教用語を解説していきます。 第35回は「菩薩」です。 ◇◇◇ みなさん、「菩薩」という言葉を聞いて、どのようなイメージが頭のなかに浮かびますか? 私の場合は、いわゆる「観音さま」(観世音菩薩)のような、慈愛に満ちた微笑みを浮かべた神々しいお方が手を差し伸べてくださっている…というようなイメージが思い浮かびます。 ほかにも、「三人寄れば文殊の知恵」ということわざで知られる「文殊師利菩薩」や、「お地蔵さん」として親しまれている

立正安国論⑩【お祖師さまのおしえ】vol.19

【お祖師さまのおしえ】は、私がお祖師さま(日蓮聖人)の御遺文を少しずつ読んでいく過程を報告するコーナーです。 今回は「立正安国論⑩」です。(①~⑨はこちら) 参照しているのは、『昭和底本 日蓮聖人遺文』(日蓮教学研究所、改訂増補第三刷、2000年)と、『日蓮聖人全集 第一巻 宗義1』(春秋社、1992年)です。 前回に引き続き、旅人の一回目の質問に対する主人の返答の続きを読んでいきます。 以下、「原文」「現代語訳」「注」の順に書き、最後に私の感想を書いていきます。現代

観世音菩薩普門品第二十五⑨【はじめての法華経】vol.17

【はじめての法華経】は、私が法華経を少しずつ読んでいく過程を報告するコーナーです。(マガジンはこちら) 現在、『妙法蓮華経』「観世音菩薩普門品第二十五」を少しずつ読み進めております。 さて、前回は無尽意菩薩がお釈迦さまに対して2回目の質問をしたところを読みました。観世音菩薩さまはどのようにしてこの世界に現れ、どのようにして衆生に法を説かれるのでしょうか?という質問でしたね。 今回から読む部分は、この無尽意菩薩の質問に対するお釈迦さまの返答になります。観世音菩薩の「三十三

観世音菩薩普門品第二十五⑧【はじめての法華経】vol.16

【はじめての法華経】は、私が法華経を少しずつ読んでいく過程を報告するコーナーです。(マガジンはこちら) 現在、『妙法蓮華経』「観世音菩薩普門品第二十五」を少しずつ読み進めており、約4割というところまできました。ちょうど、無尽意菩薩の1回目の質問と、それに対するお釈迦さまの返答が終わったところです。 これまで読んだ部分(①~⑦)の原文+書き下し文+現代語訳は下記の記事にまとめてあります。 さて、今日から読む部分は、無尽意菩薩の2回目の質問と、それに対するお釈迦さまの返答に

祇園精舎【仏教用語解説】vol.33

【仏教用語解説】のコーナーでは、さまざまな仏教用語を解説していきます。 第33回は「祇園精舎」です。 ◇◇◇ 前回、「精舎」について解説しました。簡単に言いますと、僧侶が仏道修行しながら居住する建物のことです。 「祇園精舎」は、古代インドのコーサラ国の都・「舎衛城」にあった精舎です。お釈迦さまはここで多くの説法をされたそうです。 『平家物語』の冒頭「祇園精舎の鐘の声…」で有名ですね。 名前の由来 「祇園」という名前の由来については、次のように言われています。

はじめての法話研究会の感想

先日、「む、無理…」という記事を書きまして、しばらくnoteをお休みしておりました。 ゴールデンウイークに入り、だいぶ生活が落ち着いてきましたので、再開しようと思います。 今日は、4月23日に開催した「法話研究会」の感想を書きます。 ◇◇◇ 私は栃木県日蓮宗青年会(以下青年会)というものに所属しています。これは、栃木県に籍を置く日蓮宗僧侶のうち、40歳以下の人が入れる会です。会員同士集まって勉強会をしたり、イベントを企画したりします。 この青年会主催で、4月23日に

立正安国論⑨【お祖師さまのおしえ】vol.18

【お祖師さまのおしえ】は、私がお祖師さま(日蓮聖人)の御遺文を少しずつ読んでいく過程を報告するコーナーです。 今回は「立正安国論⑨」です。(①~⑧はこちら) 参照しているのは、『昭和底本 日蓮聖人遺文』(日蓮教学研究所、改訂増補第三刷、2000年)と、『日蓮聖人全集 第一巻 宗義1』(春秋社、1992年)です。 さて、前回は、人民は仏法を信奉し、為政者も悪政を行っているわけではないのに、災難ばかりが続くのは、一体どのような誤りによるのでしょうか、という質問が、旅客(旅人

観世音菩薩普門品第二十五①~⑦まとめ【はじめての法華経】vol.15

【はじめての法華経】は、私が法華経を少しずつ読んでいく過程を報告するコーナーです。 前回までで、『妙法蓮華経』「観世音菩薩普門品第二十五」の約4割を読み終わりました。 ちょうど、無尽意菩薩の1回目の質問とそれに対するお釈迦さまの返答が終わったので、このあたりで一度、これまで読んだ部分をまとめようと思います。 現代語訳は、私が自分で書いたものですので、拙いですが、あたたかい目で見ていただければ幸いです。 ◇◇◇ 妙法蓮華経 観世音菩薩普門品第二十五 爾時無尽意菩薩。

精舎【仏教用語解説】vol.32

【仏教用語解説】のコーナーでは、さまざまな仏教用語を解説していきます。 第32回は「精舎」です。 ◇◇◇ 前回、古代インド・コーサラ国の都「舎衛城」について紹介しました。この舎衛城に、「祇園精舎」と呼ばれる、お釈迦さまが滞在するための建物があったと言われています。 今回はもともと「祇園精舎」の解説をする予定でしたが、記事を書き始めてから、いや、そもそも「精舎」の解説をしなきゃだめじゃないかと気づきまして、先に「精舎」の解説を書きたいと思います。 「精舎」という言葉の

立正安国論⑧【お祖師さまのおしえ】vol.17

【お祖師さまのおしえ】は、私がお祖師さま(日蓮聖人)の御遺文を少しずつ読んでいく過程を報告するコーナーです。 今回は「立正安国論⑧」です。(①~⑦はこちら) 参照しているのは、『昭和底本 日蓮聖人遺文』(日蓮教学研究所、改訂増補第三刷、2000年)と、『日蓮聖人全集 第一巻 宗義1』(春秋社、1992年)です。 さて、前回は、人々が様々な宗教・宗派の儀式を行って祈りをささげ、為政者も心を砕いているのに、飢饉や疫病はいっこうになくならず、まさに死屍累々という状況であること

観世音菩薩普門品第二十五⑦【はじめての法華経】vol.14

【はじめての法華経】は、私が法華経を少しずつ読んでいく過程を報告するコーナーです。 今回は『妙法蓮華経』「観世音菩薩普門品第二十五」⑦です。(①~⑥はこちら) 前回読んだ部分では、子どもが欲しいと思っている女性が観世音菩薩を礼拝し供養するならば、男の子であれば人徳と智慧を兼ね備えた子に恵まれ、女の子であれば整った容姿を持ち、過去世の善行によって人々から愛され大切にされる子に恵まれるだろう、と説かれました。 今回読む部分では、どのようなことが説かれるのでしょうか。 それ

舎衛城【仏教用語解説】vol.31

【仏教用語解説】のコーナーでは、さまざまな仏教用語を解説していきます。 第31回は「舎衛城」です。 ◇◇◇ 前々回、古代インドの強国・マガダ国の都市「王舎城」について解説しました。今回の「舎衛城」は、コーサラ国の都の名前です。 サンスクリット語では「シュラーヴァスティー」と言います。昔、サヴァッタという名前の仙人が住んでいたことから、このように名付けられたと伝わっているそうです。 「舎衛城」の他に、「室羅伐悉底」という漢訳語もあります。こちらの方が、「シュラーヴァス

私の作品紹介

今日は、noteの企画に乗っかって、私の作品紹介をしてみようと思います。 「作品」と言っても、アート作品とかではなくて、論文とスライド資料です。 ◇◇◇ みなさん、「researchmap」(リサーチマップ)ってご存じですか? 日本全国の研究者の業績が登録されている、「データベース型研究者総覧」です。 大学の先生になると、事務の方で勝手に登録してくれたりするらしいのですが、条件に合えば自分で登録することもできます。 私は運よく、日蓮宗現代宗教研究所という研究所に所属