マガジンのカバー画像

記事

64
記事だけまとめました
運営しているクリエイター

2024年1月の記事一覧

【質疑応答記録】女性活躍を目指すなら、紅一点にならないよう「数」に配慮することが重要

前回、昨年11月に行った発表内容の要約を書きました。 今回は、この発表をしたときにいただいた質問について、改めて自分の考えをまとめてみようと思います。 この日、私の発表が終わったあと、次のような質問をいただきました。 この質問の意味を考えるために、まず、前提となる情報を整理したいと思います。 私は発表において、男性中心組織においていわゆる紅一点となってしまった女性は、トークン化し、全女性の象徴と見なされ、個人として実力を発揮することが難しくなることを説明しました。した

【発表記録】「女性のトークン化について」(2023年11月27日)

2023年11月27日、日蓮宗宗務院において第24回日蓮宗教化学研究発表大会が開催され、ここで私は「女性のトークン化について」というタイトルで研究発表をしました。今回は、このときの発表記録として、発表内容の要約を書いていこうと思います。 なお、当日配布した発表資料(スライド)はこちらからダウンロードできます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 女性のトークン化について 「トークン」(token)とは、「象徴」とか「しるし」という意味を表す英語です。この言葉を聞

【注意喚起】仏像の写真だと思ったら全然違った話

ここ数年、人に頼まれて、仏像の写真素材を探す機会が多かったんですが、そのとき「ちょっとヒヤッとする体験」をしたのを思い出したので、共有させてください。 タイトルにあるとおり、いい感じの仏像の写真を見つけたと思っていたら、全然違う写真だったというお話です。 有名なフリー写真素材サイトとして、「Unsplash」というものがあります。このサイトの写真はとにかくおしゃれで洗練されているものが多いのでおすすめです。「Buddha」と検索するだけで数えきれないほどの美しい仏像の写真

『ブッダという男』を読んで

仏教学者・清水俊史先生の『ブッダという男―初期仏典を読みとく―』(ちくま新書)を読みました。 発売後すぐXでも話題になっていて、色々な人の感想を目にしながら、「「歴史のブッダ」もまたひとつの神話だった」という認識が、この一冊によって多くの人の心に植え付けられたのだな、と感じておりました。 実際に自分で読んでみて思ったのは、清水先生は「真の歴史のブッダ」を提唱しようとしたわけでもなければ、神話的な描写を信じて受け入れろと言っているわけでもなく、「歴史のブッダ」という近現代人