恐れの正体 ―― コントロールをコントロールする
恐れはどこから来るのか?
人は何かしらコントロールしようとする。
コントロールできないものを恐れる。
恐れるから、あれこれと考え行動しようとする。
恐れの効用
人類は、自然の厳しさを克服し、食糧難を克服し、病気を克服してきた。スムースな価値交換のためのお金を発明し、社会を治める法律を整備し、戦争を回避するための外交のルールを整備して相互に助け支え合うための仕組みを作ってきた。
恐れを避ける力を利用して、人は何かを生み出すことができる。
もし対象をコントロールできなくても、ある程度の範囲におさまっていれば、恐れは眠ったままだ。気にならない。
コントロールの罠
そんな万能感を与えてくれる「コントロール」。
陥りがちな罠は、他人をコントロールしようとすること。人とモノは違う。自分の言いなりになる人間がいると考えるのは幻想に過ぎない。ずっとコントロールできていると思っていても、実際は変化していくのが人間。許容値を超えた変化により、コントロール不能と感じた瞬間に、恐れがやってくる。そして、あれこれ対策しようとする。言葉で、行動で、相手に働きかけ、自分のコントロールの下に置こうとする。
毒親、いじめっこ、独裁政権…。人を無理やりコントロールしようとして、不健全な関係となっているケースはいくつも存在する。
解決法・回避法は?
解決法。それは、知って、気づいて、意識すること。本当の対策は自分側の言動を変えること。
そもそも、最初から他人をコントロールしようとせず、自分のポリシーで動くことで、恐れから無縁でいられる。
自分を攻撃してくる人がいれば、その人を無力化させたり、懐柔したり、その人の要求にあわせたり、もできる。そして、離れるという選択肢もある。
自分のコントロールしたいものは、なにか。それはコントロールできるものなのか。コントロール対象と可否を考えることが、平安に過ごすための第一歩。
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