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オンライン旅を企画して見えたオンラインの可能性

「オンラインはリアルにはかなわない」と思い込んでいましたが、先日私たちのお宿ホニャラノイエで企画したオンライン旅が思った以上に面白かったので、ここに感想をまとめてみた。

全体としての感想

旅に出るときの「1番の目的地がゲストハウス(交流宿)」という話があります。

オンラインではそこでしか味わえない食、景色、風の感触、匂い、といったものは再現できませんが、ゲストハウスの醍醐味の一つである人との出会い、交流、そしてそれを経ての気づきの部分が、オンライン旅ではうまく切り取れていたようにも思います。

今回のオンライン旅をきっかけで親しくなった人もいますし、言ってみたいと思う場所がたくさんできました。

今話題のオンライン宿泊(まだ泊まったことがないのだけど)の逆バージョンになっていたのかもしれません。

1.行ったこと

オンライン47都道府県旅を行いました。具体的には夫と私の繋がりを頼りに各都道府県1人ずつ47人にアポイントをとり、それぞれ40分ずつのトークタイムと20分の休憩を、8日に渡って続けました。

当日はフェイスブックライブとズームでの2箇所で公開を行いました。

詳細はこちらをぜひご覧ください。

2.リアルでできること、オンラインでできること、どちらでもできたこと

(1)オンラインだからできたこと
・わずか8日間で47都道府県を一気に巡り、47人を訪問すること。

(2)リアルでしかできないこと
・同じ風を感じる、同じ花の香りを嗅ぐ、同じ物を食べること。五感すべてを使った共有はできない。

・参加者同士の個別の交流。全体での交流のみとなる。(ブレイクアウトルームやリモを活用すればまた変わってくるかな?)

(3)オンラインでもリアルのようにできたこと

・新しい繋がりが生まれた

 オンラインだと、既存の繋がりの強化はできるけど、新しい繋がりが生まれにくい、という話があります。

 私もオンライン旅をするまではそう感じていましたが、今回のオンライン旅を通じてちょっと違う感想を持ちました。
 確かに、1回きりのセミナー形式だと、それっきり感が強いけど、今回、何度も繰り返しオンライン上で「会う」ことで、オンラインで初めて会った人とも確かに親近感が生まれたのが発見でした。

また、ズームでたまたま同時に入った人同士での繋がりも生まれたみたいで、栃木と岐阜でコラボしましょうという話が生まれたりとか、山形のゲストハウスさんのインタビューを熊本のユーチューバーの方が行う約束をするといった新たな展開も生まれていきました。

私たちホニャラノイエの2人が持つさまざまな繋がりの人同士が繋がっていくのも面白かったです。

・いろんな人の生き方を知る、人生を知ることができた

 私はゲストハウスでいろんな人の生き方を知り、人生を知り、それが自分の生き方を変える大きなきっかけとなった経験があります。それまでは会社員としての生き方しか知らなかったが、宿にくる人は、本当に様々な方法で生計を立て、人生を楽しんでいました。

ホニャラノイエでもそんな場所を作れたらという思いがあるのだけど、今回のオンライン旅では本当に多くの人の生き方、つまり人生の楽しみ方や暮らしの立て方を知ることができたように思います。

3.運営したときのポイントや感じたこと

(1)受け入れ方法は、完全にみなさんにお任せ
47都道府県におじゃましてお話を伺う、というテーマを建てた時に、最初それぞれに地域の写真を用意してもらったら面白いかなと思ったけど、結局すべてみなさんにお任せした。

受け入れ先によって、プレゼン資料を用意してくれた人、写真を用意してくれた人、外に出て景色を見せてくれた人、料理教室をしてくれた人、ただただ世間話をした人、お子さんと一緒に参加してくれた人、焚き火を用意してくれた人、レイアウトを映してくれた人、様々だった。

それが楽しかった。実際のゲストハウスや個人の家を訪れているみたいだなと感じた。

実際のゲストハウス一つ取ってもそれぞれに個性があって、とにかくよく喋るオーナーさんもいれば、聞き役のオーナーさんもいれば、いろいろ案内してくれるオーナーさんもいれば、子どもがおもてなししてくれるお宿もあれば、いろんな人がいて、いろんな場所がある。

共有される写真や映像を見ながら会話するのも楽しいし、受け入れトーカーさんの言葉から、頭の中で風景を思い描くのも楽しかった。

本当の宿であれば、翌日には実際に行ってみようとなるんだろうけど、今回はできない。だけど、次に行って見たいリストには間違いなく加わった(多すぎて大変になるくらい)

(2)常連や単発も含めメンバーの入れ替わりがあった

47都道府県を巡っていて、ズームに毎回メンバーが入れ替わりつつも、何人か揃うのが楽しかった。ほぼ毎回参加してくれる常連さん、ときどき参加してくれる常連さん、そして単発で入ってくれた方。この辺もなんだか私たちの理想とするゲストハウスの姿に近いなと思った。毎回はできなかったが、雰囲気が許す限り「〇〇さんが入ってきましたー」と行ったりとか挨拶したりとか、参加者にも発言してもらうようにした。

(3)あえての無言やぐだぐだ

進行役、質問する側として、もっとテキパキ質問して行くこともできたけど、あえて無言や間、周りの人たちへ振るようにした。あんまりテキパキと進行してセミナーのようにはしたくありませんでした。
実際の宿でも無言の瞬間があったり、グダグダしたり、ただ世間話をしたり、そんな時間がある。そんな風な時間にしたいと思ったのです(ただ、それがリスナーさんからも面白かったのかどうかはわからない。)

あと、「ホニャラノイエの二人の聞き方が良かった」というありがたい声もいただきました。ホニャンとしたホニャラ時間が再現できていたなら良かったと思います。

(4)フェイスブックライブとズーム両方での公開

ズームで参加してもらう方が、その場に一緒にいる感は大きくなるんだけど、今回は両方で公開して見て、それがまた良かったように思います。

ズームで突然知らないところに入るのは、中の雰囲気がわからないから勇気がいると感じる人もいると思うけど、フェイスブックライブで様子を見て、時々入りたい時だけズームに入るという使い方をしてくれた人もいたみたいでした。

また、フェイスブックライブでちょいちょいコメント参加してくれるのも一体感が生まれて楽しかったです。

人数的にズーム、フェイスブックライブ合わせて常時10~20名程度で推移したのも良かった。それ以上になると、規模として大きすぎて一体感が逆に生まれにくくなる気がします。

(5)休憩時間が案外面白かった

 この旅では40分のトーク&20分の休憩とし、休憩の間もズームを繋ぎっぱなしにしていました。

 その結果、休憩時間中に残った人たちで会話が交わされる場面もありそれもまた面白かったです。恋愛話で知らない人同士盛り上がっていたこともありました。

 あと、1度だけ休憩時間直前に夫と私を繋いでくれた人たちが乱入して言いたい放題行って去って行った会があり、個人的にはツボでした。

(6)宿、イベント企画、医者、主婦、いとこ・・・様々な属性の人がいた

普段の旅だと、宿主とたまたま居合わせたゲストさんたちという組み合わせになりますが、オンライン旅では宿主以外にもいろんな属性の人が受け入れ先になってくれたのも面白かったです。

(7)この企画をきっかけとした再会

この企画をきっかけに個人的には遠方のいとこや、5年振りの友人とかと久しぶりに話せたのが楽しかった!

4.オンラインコンテンツとしてのオンライン旅

ここまで、リアル旅とオンライン旅の比較を書いてきたが、オンラインコンテンツとしてテレビやラジオとの比較で語られることもあったのでそれについても書いてみる。

(1)テレビやラジオとの比較

参加者の感想として、以下のような話がありました。

「下手にテレビを見るよりこっちの方が面白い。」
「ラジオみたいにして聴きながら作業した。」

この点について参加者の1人がうまく言い表してくれたのが、「友達か、友達の友達くらいの人が出てくるから、それが親しみを生んで聴きたいという気持ちにさせたのではないか」ということ。その通りだと思います。

(2)ユーチューブとの比較

また、録画を見てもいいのだけど、リアルタイムで参加すると、直接対話できたり、コメントが届けられたりする感覚が、ユーチューブなどの録画媒体との違いになったと思う。

「リアルタイムで聞けない分は録画で観れるから嬉しい」という声もあったので、リアルタイム参加と録画視聴の両方を用意することでのメリットは大きかったように思う。

5.今考えていること

(1)リアルの代替として、オンラインは面白かった。

今後も毎週3回オンライン旅を続けて行く予定。これまでのちょっと残念な点としては40分が短すぎてじっくり話ができなかったり、私たちとトーカーさんの対話はできても、参加者とトーカーさんや参加者同士の会話が生まれる時間がなかったので、そう行ったものが生まれるように時間を長く設定したいと思っている。

(2)次に行く場所、会う人を決めるためのオンライン旅でもいいのかも。

リアルの宿に泊まった場合、そこで生まれた会話をきっかけに次の日の行動や行き先を決めることもある。オンライン旅で出会った人に次はリアルで会いたい、聞いた話の場所に行きたい。そんなきっかけになればいいと思う。

(3)オンライン独自の可能性はなんだろうか?

ただ、今思っているのは、今、動きにくい現状があるからオンラインにみんな参加しているけど、もしまた動けるようになったらオンラインは廃れて行くのだろうか?ということ。

オンラインは単なるリアルの劣化版なのか?そうではない気がしているが、まだそこがうまく言語化できていません。

パッと思いつくのは、普段の仕事が忙しかったりでとても旅どころじゃない人に、視点を変える時間を提供できたりとか、行き先を決めるヒントをあげたりできるかもしれない、なんてことは思います。

6.最後に

この企画は、協力してくれたトーカーの皆様、効きにきてくれた旅の同行者(リスナー)の皆様がいなければなりたたなかったです。本当に、ありがとうございました!

今後も繋がって行きましょう。
続きの企画もしており、トーカーと参加者も募集しています。

詳しくはホニャラノイエフェイスブックページをご覧ください。

また、これを読んで興味を持たれた方は是非、録画を聞いてみてください。

取り急ぎはホニャラノイエのフェイスブックページで録画を公開しています。

そのうちユーチューブに47都道府県分を整理してUPしていきます。

▼YouTube(現在整理中20.05.11)




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