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本はどんな棚から買われていくのか?(2024年2月8日)

こんにちは。「本屋フォッグ」店主のイイムラです。
現在は東京・高円寺の「本の長屋」というシェア型書店で、本棚の区画を借りて本を売っています。
週に2回くらい店番もしてます。ぜひいらしてください。

今回の記事の内容:魅力ある本棚について考えたこと

ぼくらが本を買う理由

本の紹介レターを作って考えたこと

先月、ちょっとした特集を組んで本を並べて、その特集の紹介を書いた紙を棚に置いた(実際の写真はこちら
この「紹介レター」を作って、手に取られるかそわそわしながら店番をした。そこで、ふと思った。
これって本を買ってもらうことに繋がらないんじゃないか?
身も蓋もないのだが。

どうしてそう思ったかというと、僕が本屋ではなく図書館の司書でも似たことをしたのではないかと思ってしまったからだ。

どうして本を買いたくなる本屋というものが存在するんだろう。
店番の帰りに高円寺をうろうろしながら考えた。

「棚の文脈」と「お客さんの文脈」の交差

本の長屋のような、古本を中心とした本屋に来るお客さんのほとんどは、ふらっと入ってみようかなと思ってやってくる。
(店番をしていると本当に「ふらっと」来てくれる感じがする)

今の時点で、本の長屋にはカフェ機能はないし、ゆったり休めるソファもない。こういう本屋にふらっと入る人というのは、本を読むことがある程度、日常の近くにある人だと思う。

これは僕の漠然とした感覚だけど、

  • お客さんは意識的/無意識的に自分に必要な本を求める文脈を持っていて、

  • 店の本棚には、こんな本を売りたいという店主の文脈があって、

この二つが交差するときに、本が買われるんじゃないだろうか。

そう考えると、僕の「紹介レター」は、お客さんの文脈を無視する店主の独り言だったのかもしれない。
きっと独り言にも価値が生まれるのは、店主(僕)が書店の名物店主となって、多くの本好きが「イイムラさんはどんな本を薦めているんだろう?」と注目する時だけだ。今ではない。

文脈の交差が生まれる棚を目指す

ということで、早速方向転換をしよう。
自分の棚の一部を使って、お客さんの文脈と交差する棚を作るチャレンジ。

具体的なお客さん像を想定して、その人に本が届くようにやってみる。
第一回のチャレンジで想定するお客さんは、次のような人たちにしよう。

  • 新しい本に対する感度が高い

  • 自分、親しい人への「ケア」に興味がある

  • 著者の人となりが伝わる、比較的カジュアルな文体が好み

  • 本の他に、podcastやラジオも聴く

近いうちに、このお客さんに向けた選書を考えてnoteにも書きたい。

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