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家庭内別居から始めましょう?

12月31日 我が家にふたりが来た。
白猫のL、複雑な三毛のR
保護主さんが車で連れてきてくれた。

朗らかな保護主さんが、やいっ!とキャリーから解き放った瞬間、
用意していた隠れ家に吸い込まれていくふたりをみて、感動した。

仲良くなるには、しつこくしてはいけない。
一度しつこくしたら、長年押し入れの住人になった知人猫の話をきいていたので。

慎重に、慎重に…

まずは同じ空間にいるだけにした。



…睨まれている
ベッドの下から殺し屋のように睨んでいる。
泣いちゃうくらい、893だ。
いや、猫って元からこんな顔なのかもしれない。
きっとそう、そう思わないと凹みそうなくらい
目線が鋭かった。

幸い仕事机は別の部屋にある。
しばらく家庭内別居。
人間は眠る時以外リビングには入らないようにした。

起きたら即座に仕事部屋へ。

リビングには隠しカメラ(見守りカメラ)を設置してあり、2人の様子をモニターで見ながら仕事をする。

2日目にしてご飯を完食した姿も、
初めて💩をした姿も、カメラ越しに確認した。
録画もした。
猫専用インスタにも盗撮写真をここぞとばかり載せた(保護主さんに成長を見てもらえるよう開設した)

2人が隠れ家で眠っているのを見計らって、
ご飯や水を変え、掃除をした。

ほぼ自宅から出ない仕事なため、気配だけでも気を使わせてしまうかもしれない。と思い、
毎日1時間ほど散歩に出るようにした。

人間がいなくなると、2人はYogiboに乗り転がったり、猫団子になって眠ったりしていた
可愛い。可愛過ぎる。コロコロが過ぎる。
暇さえあれば友人にコロコロ動画を送り気持ち悪がられた。

毎日24時間中20時間くらいカメラを見ていた。
仕事を終えベッドに入ると、隠れ家から様子を伺っている。
それを布団の中からスマホで見てニヤニヤする。

ある日、眠っている人間の手がベッドからはみ出ていた。
おもちゃと勘違いしたのか、Lがソロリソロリと近づき、伸び切った爪でぬるりと手を確保し、ガブリ!
(のちに動作をカメラで確認、勿論保存した)

鈍い痛みを感じて、飛び起きた
真っ白なLの額に血飛沫が飛び散っていた。
…夢…?
ドクンドクン波打つ親指…
夢じゃなかった!!!

『Lチャン!触れたネ!!!』
あまりに嬉しくておじさん構文みたいな叫び声をあげてしまった。
初めての接触はそんな感じだ(ちゃんと消毒した)


2人は元々『人馴れはしていないけれど絶対に爪を出さないネコチャン』であった。

ワクチンで病院に連れて行った病院でも『借りてきた猫』状態でいい子ちゃんだった。
会いに来た友人にもこんな手が出ない猫珍しいと褒められた。


しかし、初接触を機に『こいつ、嬉しそうだから寝てる手は齧ってok!爪刺してok!』という法案が可決したのか、夜中の襲撃は日に日に過激化した

人間の手はナイトメアビフォアクリスマスのサリー並みにツギハギ変色していった。

風の谷のナウシカを見て、噛まれたら避けたらいけない!と思い込んで、なすがまま受け入れた。
隙を見て尻尾や顎を撫でた。


少しずつ、少しずつ、許されていく感覚が、
とてつもない多幸感だった

2人からしたら『隣の部屋に住んでる変なやつ』から、
『居ると、美味しいものくれたり、撫でてくれたりするやつ』くらいにはなっているといいな、と願うばかりだ


(現在は爪切りマニアと化した人間により、すっかり爪は綺麗になり、噛まれることもなくなりました)

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