帰る場所
お盆真っ盛り、20時過ぎた出発間際の新宿駅発の電車内。
滑り込みで座席に座ることができ、今日の甲子園の結果をスマホで見始める。
今朝、鳥栖工と日大三の試合が始まったくらいに家を出た。鳥栖工は2〜3点に抑えた試合運びをしたい、なんてこと言ってたっけな。
日大三3―1鳥栖工
失点は抑えられたけど、得点は厳しかったか。
大きくはなされなかったのは、見応えのある試合だったのかなぁ、そんな想像をふくらませる。
胸を張って気をつけて元気に鳥栖へ帰ってきて下さい
鳥栖工の地元の弁当製造販売のコメントのとある一文。
負けたら終わりの世界。その年の勝者は全国でたったの1校、どんなに惜しかったとしても、負けは負け。取り返すことはできない。
それでもその勇姿で勇気づけられる、その日の楽しみとなる、日本の風物詩。
地元の高校生に胸を張って気をつけて帰っておいで、そう包み込むような人の優しさが、荒んだ胸に沁みて、スマホの画面が滲んでいた。
本気で試合をしたんだから、恥ずべきことなんてない。まっすぐ前を向いて、胸を張って気をつけてあなた方を待っている人たちの元へその勇姿を見せてあげてください。
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