2月27日

ついにあしたは京都の店に出勤する最後の日。
思えば4年間もここで働いたんだなあ。
入社したときは、コロナウイルスが流行り始めたまさにその頃で、ゴリゴリに緊急事態宣言の最中だった。
そんな時期だったので、面接に行ったときに「他の候補者もいたけど辞退したので選考はあなただけになりました」と言われたのを覚えている。
つまり、はっきり言ってコロナ禍ラッキー入社だった。
その頃はまだ実家にいたので、京都への通勤は一時間半近くかかった。
でも「この京都の店舗で働いてくれるなら採用します」とヤクザみたいなことを言われたので、仕方なく承諾した。
正直言って嫌だった。通勤に一時間半はかなりきついと思った。
それでも書店員に戻りたい気持ちの方が大きかった。

働いてみると京都の人たちはみんな良い人たちばかりで、だんだんいろんな人と仲良くなった。
生粋の大阪府民のわたしは、最初は会話の中でボケとツッコミが成り立たないのが歯痒かったけど。
社員の皆さんも、アルバイトの子たちも、お客さまも、みんな良い人たちだった。
京都の人たちは日常会話の中で普通に「おおきに」を使うことを知った。
道案内をするときに通りの名前で案内することも知った。
おいしいパン屋さんも知った。
みんなこんなどうしようもないわたしに優しくしてくれて、たくさん話をしてくれた。
今日会うのが最後だったアルバイトの子が「最後に一緒に写真撮ってもいいですか!」と言ってくれて、嬉しかった。
わたしのコメントが載った本の帯を見て店に来て、話しかけてくれて仲良くなったお客さまも、わざわざ「がんばってください」と声を掛けに来てくれた。
いつも笑顔で楽しい冗談で笑わせてくれるマダムのお客さまも、お店に用事があったわけじゃないのにお菓子を渡しに来てくれた。
出会えてよかったなと思える人が多すぎる。
いつかまた、ここに戻って来られる日が、来るといいなあ。

自分で「あしたは大千穐楽です!!」と言いふらしているので、あしたはいろんな人に会えそう。
最後の日、今までで一番楽しい日になりそう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?