7月潜学講座     担当:八木正典

われ人の身のうちに、至徳要道といへる天下無双の霊宝あり。このたからを用いて、心をまもり、みをおこなう要領とするなり。(翁問答)

7月の潜学講座に参加してきました。
 
今回は第一講の講師をさせていただき、「中江藤樹に学ぶ」をテーマに話をしました。
中江藤樹先生の経歴やその人柄を語る逸話からは何となくその人物像や思想に迫れていないという思いがあったのですが、形而上の世界と形而下の世界の両面を探求する思想家、哲学者ととらえることにより自分の中でも少し理解が進んだ気がしたのでその点を中心に説明を行いました。
また、藤樹先生全集の二巻にある心法図説と凡心図説を用いて、その思想を整理いたしました。その上で、藤樹先生の格物(修身)、慎独、孝の思想についてお伝えいたしました。
 
藤樹先生は日本陽明学の祖、近江聖人として戦前は道徳や修身の教科書に載り、日本国民に知られていた人物ですが、戦後取り上げられることも少なくなり忘れられているかと思います。その人物の本質にどこまで近づけたかは分かりませんが、参加した方々に何かしらの藤樹先生の魅力が伝わればうれしく思います。
藤樹先生の思想は時代に隔たりなく、現代でも人としてあるべき理想、常に拠り所とすべき道を示してくれると思います。その思想をもっと深く掘り進めていきたいと感じております。
 
第二講では、佐々木講師による「中村天風~運命を拓く~①」でした。
今年度の潜学講座では年度を通して、天風先生の名著「運命を拓く」を読み進めていくことになりました。
その魅力を全員で共有しようというものです。
 
第一回は佐々木講師の朗読劇という素晴らしい講座でスタートしました。
自分が力点を置いてとらえている天風先生の魅力とは違った目線で見ている、それを表現しているのを聞いていると、新たな気づきや学びを得ることが出来ました。互師互弟の良さが十二分に出た講座でした。
これから様々な講師のその人なりの天風先生の理解や魅力を教えていただけることが楽しみでなりません。

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