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【ココロコラム】新年の心構え

新しい年にあたり、いろいろ年頭の決意をしている人もいらっしゃるかと思います。今回は、新年をラッキーな一年にするため、心がけておいたほうがいいことをあらためてご紹介します。

皆さんの周りにも、ラッキーな人と、不運が続く人がいるでしょう。その両者を見ていると、一つの大きな違いに気づきます。ラッキーな人は、とにかくまず自分から行動しています。行動するから、結果的に運が後からついてくるのです。それに対して、不運を嘆く人ほど、周囲に頼って幸福を受動的に与えてもらいたいと思っている傾向にあります。

例えば「いい出会いがない」と言う人に限って、自分から出会おうとする行動をとっていません。いつか、理想の異性が自分の前に現れると思っている。こういう考え方だと、なかなか出会いは訪れないと思います。というのも、そういう考え方だと、最初から完成品の相手に依存したい雰囲気がいつのまにか出てしまい、異性が近づきにくくなるからです。

実際には、最初から理想の異性なんて、なかなかいません。自分から声をかけてまず出会い、付き合う中でその人のいいところを見出していく。結果的に、ある程度理想に近づいたということが多いものです。「愛され願望」ばかりが強まっても、まずは相手を愛さないと話が始まりません。ラッキーを引き寄せるには、まずは行動してみる。私はこれが非常に大切なことだと思います。

その際、いきなり大きな行動をしようとしないようにするのが大切です。誰しも、新年には過大な目標を立ててしまいがちです。人生上の目標は大きいに越したことはありませんが、まずは目の前の自分にできることをしっかりこなすことが何より大切です。ダイエットなら、いきなり5キロ痩せるのを頭に置くのではなく、例えば昼食を野菜中心にしてみるとか、今日一日でできることを考える。

一般に、目標に挫折しやすい人ほど、大きすぎる目標を立てたり、すぐに結果を求めたりして失敗する傾向にあります。実際には、行動を少しずつ階段状に積み重ねていくうちに、いつのまにか目標を達成できているものです。一年も一日の積み重ねです。毎日自分にできることを実行していくことが重要です。

では、今年ラッキーを引き寄せるために毎日どういう行動をとればいいのか? 人それぞれ、いろいろ事情も違うでしょうが、割合万人に当てはまる一般的アドバイスとして、毎日何か一つは「自分をほめてあげるような行動をする」ことと「誰かをほめる」ことをお勧めします。

別に大げさに考える必要はありません。職場で挨拶をするでも、仕事の書類を一枚片付けるでも、年賀状の返事を書くでも、何でもいいので、小さいことで毎日自分をほめてあげることです。また、職場仲間にしろ夫婦にしろカップルにしろ、毎日何らかの形で相手のいいところを口に出したり、感謝の思いを伝える。その積み重ねが、結果的に人間関係の好転を生み、ラッキーを呼び込むのです。幸運は、自分で自分を幸せにしてあげられる人に近づきやすい性質があるからです。

小さい満足感や、小さい自分への褒め言葉を蓄えていくことは、精神医学的にも、ココロの健康を保つ上で非常に重要な考え方です。私自身、昨年毎日このような行動を取りましたが、その結果、かなりラッキーな一年であったと思っています。逆に、不平不満だらけで、自分の劣等感や欲求不満ばかり意識していた頃は、今にして思えば、自ら不幸を引き寄せていたような気がします。

今年一年を充実した年にするため、この二つの行動を、ぜひお勧めしたいと思います。

(精神科医・西村鋭介)


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