APRIL FOOL'S DAY

エイプリルフール(毎年4/1日には嘘をついてもいいと言う風習のこと)

嘘が大嫌いなおじいちゃんと、とても心配性なおばあちゃんのお話です。

ある日、おじいちゃんは病気を患ってしまいました。
それを知ったおばあちゃんは四六時中おじいちゃんの側から離れず、あれこれとすべて世話をしました。
おばあちゃんは心配で心配で仕方なかったのです。
それでも、おじいちゃんの病気は良くなることはなく、ついにおじいちゃんは動くことすら出来なくなり寝たきりの日々が続きました。

おばあちゃんは毎日休むことなくおじいちゃんの手を握り続けていました。

おじいちゃんは自分の命が残りわずかということに気づいていました。
それでも、心配性なおばあちゃんをひとり残して行けるわけがなく悩んだ末にある決断をしました。

『おばあちゃんや、おばあちゃんの祈りが届いたよ。おかげで僕の病気はすっかり良くなった。だからおばあちゃんも少し休みなさい』

それを聞いたおばあちゃんは安心して眠りにつきました。
そして今度はおじいちゃんがおばあちゃんの手を握りふたりで静かに眠りました。この日、初めておじいちゃんは嘘をつきました。
その翌日の朝、握りしめた手は冷たくなっていました。

それは、おばあちゃんの手でした。

安心したおばあちゃんは深い眠りにつき、目を覚ますことはありませんでした
その後に、おじいちゃんも安心したように
深い眠りにつきました。