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小田島 ほの花
2023年7月4日 12:49
「じゃあ、もう辞めます。」 退職の意志が自分でも驚くほどすんなりと口からこぼれたその日、私はスーパーはくとに乗り移動する間のほとんどを泣いて過ごした。嗚咽のようなものでもなく、号泣というほどでもないが、止めようとすればするほどそれは溢れて止まってはくれない。切符を確認しにきた女性の車掌さんが、随分と気を使って視線をはずしてくれるのが伝わってきた。アラサー女が年甲斐もなく電車で涙をぬぐっている