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里帰り

工事現場の 音で目が覚めた
日曜日の 午前11時

散らかりすぎた部屋の ほこり積もった棚から
分厚い本が落ちて ページが折れた

「里帰りは しなくていいのか」
そうばあちゃんに しかられた気がした

なんてちっぽけな世界で
過ごしているんだ
そんなことをいつもただ思うだけ

窓ガラスを たたく落ち葉に
色がついたのに 気づかずにいた


いつの間にか 月日が過ぎる
何もしなくても 月日が過ぎる

西日が良く 当たるこの部屋
分厚い本の背表紙は 日焼けしてる

やがてみんな 歳をとる
僕もいつか 白髪になる

なんてちっぽけな世界で
過ごしてるんだ
そんなことを思いながら窓の外を見る

来週あたり帰ろっかな
里帰りをしようかな

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