初！歯が抜けた前歯編（娘）

１週間前から、「前歯を触ってー」って言って来る娘


口をみると娘からみて左側の前歯の片方がグラグラしている

娘は今年4月に入学式をした小学校新一年生

保育園の時に、下の歯はすでにいくつかの抜けて生え変わっているが、上の歯は初めて、言動や行動を見ていると前歯だからか、特別感を持っているように見える

その前歯を
「グラグラしてるからさわってみてー」
「お父さんが取ってあげようか？」
「まだいい」
を１週間毎日繰り返している

１週間も娘の歯を触っていると
”私も今日は抜けないな” とわかってきた

６日目の木曜日にはグラグラした感じ、見たときの横の方に隙間ができた感じ
上下左右に動く感じ

これはすぐ抜けそうだとすぐにわかった

何となく木曜日に抜くと色々差し支えるかな
金曜日は学校だし

と思い、

「明日お父さんが抜いてあげるね」って言ったら
嬉しそうに「明日の夜、お父さんやらせてあげる」って目がキラキラ


次の日、学校の帰宅前にバァバの家に寄り
バァバも私と同じく「歯を抜いてあげようか？」と聞いていた

娘は「あっ！先に予約が入ってるからごめんね」って言ってた

娘はお父さんである私に抜いてもらいたいんだと悟った
以前なら娘のそんな気持ちにも、気づいてあげることもできなかったかもしれない

今は仕事も少ないし自粛してるから、娘の気持ちがよく伝わって来る
何だか嬉しい


私はせっかくなので、娘にある提案をした
「上の歯初めてなので自分で抜いてみよう」というものである

娘は「えー」って言っていたけど、興味津々なので

娘自身に抜いてもらうことにした

私は娘の左の前歯の根っこ、歯茎のギリギリにのところへ
裁縫でよく使う糸を７０センチほどに切り、
その糸のちょうど３５センチ程、真ん中あたりを娘の前歯に２周ほど
マワし固結びを２回。
前歯からから飛び出た２本の糸の一番下を玉止めし
前歯から下に大きな輪っかが出来る様に、糸をかけた

その大きな輪っかんとこに娘の右手を通して手首あたりに
来るようにして、娘が好きなテレビ流し放置した

最初は歯を引っ張らないようにしていた娘も、１０分も立てば
自分がグラグラの前歯と右手首が繋がっているのを忘れてしまった

ある拍子に娘はテレビを見て盛り上がり踊ってしまった
その踊りは見事に上げた右手を右下後方へ振り下ろすダンス

その踊りを踊りだしたと同時に
「わーーーーー」
と
「おーーーーーーーーーっ」

を混じったような発声は、

踊ってしまったー！と綺麗に抜けたー！、驚きと感動のスペクタクルを表した
ファンタジー

その驚きのあまり、口を開けっなし状態で　抜けたー　と叫んだ
つもりの声は少しだけ野太く「うけたぁ」と部屋中に届き渡り

家族みんなが大爆笑で娘に駆け寄った

娘は家族が集まるより一足早く洗面所へ走った




洗面所で一人鏡を見て
「お姉ちゃんみたいになってるぅ」ニヤリって独り言をしてのを

嫁と隠れて聞いた

娘もそうだが、子供達は皆
新一年生の自覚を持って突き進んでいるんだと思う