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終着駅に行ってきました

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終着駅という響きに、わけもなく惹きつけられる。この先にはもう線路がない、という最果てのロマン。そして一抹の哀愁。そこには、どんな街が広がり、どんな人たちが息づいているのか。憧れで… もっと読む
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2023年8月の記事一覧

豊潤な自然と大事なものを知る人々がつくった”生きた”街(枕崎・JR指宿枕崎線)|終着駅に行ってきました#15

文=服部夏生 写真=三原久明 「がんばれー」「がんばれー」  永吉川の河口のそばにクルマを停めて降り立つと、高校生たちの歓声が鳴り響いていた。  見ると、石造りの人道橋を高校生たちが走っていた。沿道の生徒たちが彼らに声援を送る。  橋のたもとの河原には天幕が張られていて、教師たちも立っていた。聞けば、鹿児島交通の廃線跡を利用した遊歩道などを30km近く走破する、地元の高校の恒例行事とのことだった。  早さを競うものではないらしい。歩く生徒もいるし、自販機に行儀よく並