どこにもない”郷愁"を持つ町の、やさしい夜(岳南江尾・岳南電車)|終着駅に行ってきました#12
「あー、だから日本はダメなんだよ!!」
店内に大声が響く。声の主は、ついさっきまで地元話に興じていた隣の常連氏である。
何ごとかと、彼の視線の先にあるテレビ画面を見ると、サッカー日本代表のディフェンダーたちが自陣でゆっくり球を回しているところだった。
革命レベルの切迫した声だっただけに、スポーツが根源的に内包する平和さが心にしみた。少し落ち着いて観察すると、開始まもない時間帯で、双方無得点である。焦る局面ではなさそうだ。
攻撃を組み立てるための時間とってんじゃ