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「ひととき」の特集紹介

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旅の月刊誌「ひととき」の特集の一部をお読みいただけます。
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2023年7月の記事一覧

【京都】狂言師・茂山逸平さんらと“口福の涼味”

 和菓子はもとより、祇園文化も牽引する老舗「鍵善良房」の今西善也さん、旧山陰街道筋、人気の餅菓子に加え、夏場はかき氷も行列必至、「中村軒」の中村亮太さん、そして茂山逸平さんの3人が、これまた、予約の取れない鮨割烹「なか一」須原健太さんのお店へ集合。日ごろから「よく集まっては、ほぼ役に立たないことばかり喋る」という京男4人、逸平さん以外は、全員が美味しいものを拵え供する食のプロたち。この時季のスペシャリテから、名品誕生の裏話、京都人気質まで、とっておきの、夏の旨いもん話をお楽し

【京都】狂言師・茂山逸平さんに訊く「夏しごと、土用干し」

 7月末から8月前半にかけて、暑さもピークを迎える夏の土用に衣類や書物を陰干しして湿気を飛ばし、カビなどを防ぐメンテナンスは、以前は普通の家でもよく見かけた夏の風物詩的作業であった。  空調も整い「土用干し」と言えば梅干しくらいしか思い浮かばない昨今。しかし狂言の茂山家では、この時期、若手役者が集まって、のべ10日間ほど、「麻装束の糊づけ」と「面の虫干し」を行うのが恒例。その作業風景を逸平さんの案内で覗かせていただいた。  能、狂言の家では、面はもとより、装束や小道具類も