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「ひととき」の特集紹介

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旅の月刊誌「ひととき」の特集の一部をお読みいただけます。
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2021年8月の記事一覧

ニッポンの馬の話――対馬へ

馬と聞いたら、どんな動物か、すぐに思い浮かぶことでしょう。でも、そのイメージの多くはきっと競走馬のサラブレッド。だったら、ニッポンの馬って……? 乗用に、運搬に、農耕に、軍事に、また神事や競技、それに食用にも。馬はほんの少し前まで、今よりも、もっともっと人に身近で、暮らしや産業を支える存在でした。けれども近代化が進む中で、ニッポンの馬のいくつかは種が絶え、今も危機的状況にあります。天高く「馬」肥ゆる秋、今の私たちがあるのは彼らのおかげと、ニッポンの馬たちに会いに対馬と今治へ行

食の達人、小倉ヒラクさんが出会う 城下町・金沢の麗しき発酵文化

小倉ヒラクさんにとって金沢は、20代前半に、はじめて〝美味しい日本酒〟を知った思い出深い土地。この街にいまも根付く、独自の発酵食を求めて――(ひととき2021年創刊20周年記念号「食の達人がゆく 歴史町、うまいもの探検」より一部抜粋してお届けします) 「ひととき」読者の皆さまこんにちは、小倉ヒラクです。僕は発酵文化の専門家として、各地の醸造の現場を訪ね歩いています。今回訪れたのは石川県金沢市。日本海側の海運を司る、北前船(きたまえぶね)の要所です。海産物を加工したバリエーシ