【伊勢根付】神宮の加護を願った土産物(三重県伊勢市)
無事にカエレますように──。
江戸時代、お伊勢参りの土産として人気だった根付。年間に何十万人もの庶民が全国から伊勢神宮を目指して旅をするようになったその頃でも、道中は険しく、追い剥ぎなど危険もあった。だから職人たちは旅の安全を祈って根付にカエルを彫ったのだという。七福神や十二支などの縁起ものも。
根付とは、煙草入れなどの小物と紐で結び、帯に挟んで携帯するための留め具。この目立たない実用品に、限りない楽しみが広がる。
身につけるものだから小さく、そして帯や手を傷つ