マガジンのカバー画像

地元にエール これ、いいね!

76
日本全国の“地域の宝”を発掘する連載コーナー「地元にエール これ、いいね!」。地元の人々に長年愛されている食や、伝統的な技術を駆使して作られる美しい工芸品、現地に行かないと体験で…
運営しているクリエイター

2023年3月の記事一覧

【有松鳴海絞り】400年の伝統を持つ手仕事から生まれるモダンデザイン(愛知県名古屋市緑区)

 繊細な凹凸のあるシェードから広がる柔らかな光。モダンで印象的なこの照明は、江戸時代から続く絞り染めの伝統技法と、熱で形状を定着させるヒートセットという現代の技術が出会って生まれた。「シェード生地の豊かな表情と陰影は、熟練した有松鳴海絞りの技でしか表現できないものです」と、デュッセルドルフと有松を拠点に絞りの魅力を発信するsuzusanクリエイティブディレクターの村瀬弘行さん。  慶長13年(1608)、木綿を絞り染めにした手拭いを東海道の土産物として売り出したのが有松鳴海

【沼津のバー文化】都会のバーとは異なる別荘地らしい上質空間(静岡県沼津市) 

 沼津にはオーセンティックバーが多い。何故なのか。1967(昭和42)年創業のBAR Frankのオーナー相原勝さん曰く「沼津御用邸が建てられたことからもわかるように、ここは保養地としてすぐれた土地で、昔は『海のある軽井沢』なんていわれて、政財界の要人たちが別荘を建てたんです。旧国鉄の時代には東海道線の要所としても栄えていました」。別荘族の社交場としてバーが必要とされ、バー文化が醸成された側面があるのだろうと語る。 「バーテンダーは黒子。カウンターという舞台で、主役は一人一